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決算シーズン序盤から見えた米消費の傾向。好調なネット消費にもわずかな息切れ。

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7月中旬から始まった決算シーズンを見る限り、いくつかの傾向が見られている気がします。

まだ決算シーズン序盤なので、傾向を一般化するのも早い気がしますが、今見えている傾向をいくつかこのページでまとめておきます。

この記事のポイント

  • 4-6月期のアメリカの個人消費は大きく落ち込んだが、4月中旬が底だった。4月中旬から6月上旬にかけて回復を続けた後、6月下旬にはわずかに前年比でマイナス幅を広げて景気が悪化している。
  • インターネットでの消費は4月以降に急速に拡大したが、6月に緩やかに減速している。巣ごもり需要を取り込んだネットフリックスの有料会員数の減少にも現れている。
  • 4月以降は対面販売を行わないIT銘柄が株価を支えてきたが、今後これらの企業の業績の伸びが鈍化しないか注意が必要。

米景気の最悪期は4月中旬で、6月上旬まで回復が続いた


4-6月の決算期でアナリストの予想を超えている企業が多い印象ですが、アメリカの景気は4月中旬に底を打ち、6月上旬まで急速に回復を続けたようです。

既に決算発表を終えた米大手銀行が公表しているカードの利用状況をみると、消費傾向を掴むことができます。

以下は、バンク・オブ・アメリカのデビットカードかとクレジットカードの利用状況ですが、4月中旬に底を打って6月上旬まで回復傾向にあったことことがわかります。

個人のカード支払い合計は4月中旬から6月上旬かけて回復(出典:バンカメ)

バンク・オブ・アメリカのカード利用者だけでなく、既に発表されている経済指標でも同じ傾向が見られています。特に6月の小売売上高は予想以上に回復し、新型コロナウイルスの前の水準にまで回復してるとの発表もあります。

>>米小売売上高:6月は予想上回る伸び-パンデミック前の水準回復(ブルームバーグ)

6月下旬には消費の回復が大きく鈍化


しかし、6月の景気も順風満帆だったわけではないようです。

上のバンク・オブ・アメリカのカードの利用金額をじっくりみると見てもわかるのですが、6月下旬には景気がわずかに悪化した様子が見えてきます。

6月下旬にかけてカード利用金額は減少(出典:バンカメ)

バンク・オブ・アメリカのカードを持っている個人の消費は、6月上旬に前年比でゼロ成長まで回復した後、6月下旬に前年比マイナス10%まで落ち込んだようです。米政府の景気刺激策の効果が薄れたり、新型コロナウイルスの再流行が原因として考えられそうです。

ネット経由の消費も6月下旬に鈍化


気になる傾向としては、4月以降前年比プラス50%でかなり好調だったネット消費の勢いも6月下旬に陰ってきていることです。

今後は、JPモルガン・チェースのカード利用金額のデータを見てみると、5月末からインターネットでのカード利用金額の伸びが鈍化していることがわかります。

インターネット経由のカード利用金額は5月末から減少している(出典:JPモルガン)

既にこの影響は、一部のネット企業にあらわれているようです。ネットフリックスの決算を見ると、6月には会員数がわずかに減少している傾向が見られました。

もともと、4-5月のネット販売が好調過ぎたので、落ち着き始めただけなのかもしれませんが、ネットフリックスなどの巣ごもり需要を取り込んでいた企業に吹いていた追い風の勢いがなくなってきたことは、株主として警戒すべき状況かもしれません。

また、米国株全体をみても4月以降は対面販売を行わないIT銘柄が株価を支えてきた印象がありますが、今後それらの牽引役の企業の成長が頭打ちにならないか、注意してみてみたいと思います。


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