ヨーロッパ製造業の不調
この記事でお伝えしたいことは、とてもシンプルです。
「ヨーロッパの製造業は不調です」の一言です。
今まで「製造業に不調の影が忍び寄ってきた」とか、「減速している傾向が見られる」とか、丁寧に回りくどい表現を使ってきましたが、ヨーロッパの製造業についてはそんな気遣いも必要もなさそうです。シンプルに悪い良さそうです。
ヨーロッパ全体に広がる製造業PMI指数の低下
9月2日に発表された、製造業の購買担当者に景況感をアンケート調査した結果をまとめた製造業PMI(購買担当者景気指数)はドイツ、イギリス、ユーロ全体と3つとも不調な結果でした。
このPMIは50を下回ると景気縮小、50を上回れば景気拡大を意味しますが、3つとも50を下回っています。ドイツにいたっては、43.5と前月の43.2に比べたらまだ改善しているものの、50には程遠い状況です。
世界各国の製造業も減速
ちなみに、ブルームバーグは世界の製造業PMI指数をまとめていますが、こちらを見ても綺麗に世界各国で製造業PMIが50を下回っているのがわかります。
今のヨーロッパはイギリスのEU離脱と、貿易戦争の景気の先行き不透明感の2つの影響を受けています。その2つが重なってしまったことで、タイミングとして大変よろしくない状況になっています。
心配なのはやはり工業国ドイツ
ただし、どの国も全てが製造業に依存した工業国ではないので、この結果だけで景気が心配だという必要はありません。
ヨーロッパの話に戻ると、GDPで製造業が占める割合は、ドイツが約20%、ヨーロッパでは15%, 英国は10%と言われています。ここでもやはり心配なのは、ヨーロッパ随一の工業国のドイツになりそうです。