私はアメリカが景気後退の可能性をかなり追っています。いざ発生したら自分の資産に大ダメージを負うので、事前にできる対応策をとっておきたいからです。
ずっと「景気後退が起こって株価が大きく低下する」か「景気後退が起こらず、アメリカが2%程度の経済成長で株価が伸びていく」の2択を考えた上で、景気後退が起こった場合のインパクトが大きいので守りに入る資産運用をしてきたのですが、最近第3の選択肢もわずかに考え始めています。
第3の選択肢は「景気後退まで悪化せずに、とても低い経済成長が続く時代」です。起こる確率は、通常の景気後退のほうが高いと思いますが、可能性として3つ目も上げておきます。
差し迫ったリスクを感じない2019年
ときに、何度も頭の中で浮かんでは消えていく疑問があります。
「2020年以降にアメリカが景気後退するとしたら、何の危機と呼ばれるのだろう」と。世界貿易不況でしょうか。世界同時不況だと言いすぎになってしまいます。どうも何かふわふわしています。
過去の景気後退では、今よりもはっきりとわかりやすい兆候がありました。
2001年のITバブル崩壊ではIT銘柄が高騰していました。このときはわかりやすく兆候として、株価が高騰していました。また、2007年はサブプライム・リーマンショックがあり、12月の景気後退前よりもずっと前からサブプライムローン問題はメディアの中心いました。
私はこの年の夏から投資を始めたのですが、サブプライムローンが積み上がり過ぎている上に、いろんな商品に組み込まれていて影響が計り知れないと多くの人が2007年半ばの時点で議論が白熱していたのを覚えています。
差し迫ったリスクを感じない2019年
サブプライムローン問題時と比べると、今の2019年の状況は緊迫感が全然ありません。2020年になると景色が一変するのかもしれませんが、どうも差し迫るような感じがないです。
過去数回の景気後退よりも、事前にはっきりとしたリスクがなく、どちらかと言うと日本のようにマイナス成長にならないまでも、低成長を長く続ける名前もつかないドンヨリとした時代にしれっと突入する可能性もあるのかなと考えています。
そう思っていたところ、レイ・ダリオが同じようなことを言っていました。今後の経済について、ゆっくり鈍化する様子を「スクイーズ」という単語を使って説明しています。
2008年の金融危機のような劇的ではないものになると考えている。今回はもっとゆっくりと進行するスクイーズが起こると推測している。(レイ・ダリオ)
このジワジワくるタイプは、私としては一番投資がやりづらいです。投資がしやすい環境は、誰が見えても明確な大幅な株価下落が来たあとで、安くなった株を買うことです。また、このときの景気後退で(言葉は悪いですが)ゾンビのような企業が一掃されて生産性が高い企業が生き残ってくれれば、その後10年は安心して投資ができます。
なので、ゆっくり進行する停滞は、もしも実現すれば嫌な展開です。