【米国株】意外に知られていないインデックス投資のリスク

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この記事では、意外にあまり知られていないインデックス投資のリスクについて考えます。

「アメリカのS&P500に連動するインデックス投資に全力で投資すればいいんだよ」「結局、米国株のインデックスが最強で1択なんだよね」と考えている人に、ちょっとでも米国株のインデックス投資のリスクを知ってもらうことが目的です。

この記事のポイントはこちらです。

  • 米国株インデックス投資への集中投資のリスクは、米国株に自分の運命を預けること。
  • 米国株には10-20年単位で好不調のサイクルがあり、自分の投資人生が米国株の不調時に当たるリスクがある。

確実に反論が来ると思いますので、先にお断りしておきますが、私はインデックス投資はとても良いものだと思っています。特にこれから投資を始める初心者の方には、インデックス投資はお手軽でおすすめです。何も投資しないよりも、アメリカ株のインデックスに投資したほうが良いリターンが得られることは間違いないです。

つまり、この記事は初心者向けではありません。すでに米国株のインデックス投資をしていて感覚を掴んでいる人、特に米国株のインデックスに集中投資をしている人に向けて書いています。

最近、証券会社のサイトでも米国株のインデックス投資が高リターンという旨の記事を見かけますが、ちゃんとリスクを説明しているものが少ないです。なので、既に初心者を卒業した方に向けて、アメリカ株のインデックス投資にもリスクがあることをお知らせする記事になっています。

米国インデックス投資をする人の根拠

日本人は普段からお金の話をしないので、私も普段の生活をしているときにお金や投資の話は一切しないです。ただ、それでも私の周りにいる変わった人たちは、たまに自分から進んで給料の話や投資の話をしたがる人がいます。

そして、近年はそうした話の中から米国株インデックス投資の認知度の広がりを感じます。

私の先輩の一人は、「時代はアメリカ株だよ。S&P500に全額投資しておけば、間違いないんだよ」と教えてくれる人がいたので、その人の熱弁を聞いていました。

その先輩の熱弁のポイントはこちらです。

  • どこかの国の株はバブルをピークに20年も30年も低迷している。
  • S&P500は歴史的に見て、年率7%で株価が上昇してきた。
  • アメリカは先進国の中でも人口増加が今後も続くレアな国で、長期的に成長が見込める。
  • こんな国は他にない。だから投資はアメリカ株S&P500へのインデックス以外はない。

私も概ね賛成です。こちらはどこかの国の株価指数ですが、バブルをピークに20年以上低迷しています。

上図のような低迷を続ける株に投資するよりも、長期的に7%で右肩上がりに上がってきたS&P500などの米国株インデックスに投資するというのは、一見間違いがなさそうです。

それに日本やヨーロッパの一部の国では、今後人口が減っていくと見られている中で、アメリカは人口が増加して経済も拡大する傾向にあるのなら、アメリカ株への投資が一番良さそうに見えます。

ここまでは賛成です。ただし、私が賛成しないのは「だからS&P500へのインデックス投資以外はない」の箇所です。

自分の運命を米国株に預けるリスク

インデックス投資は良いものですが、もしも米国株インデックスだけに偏った投資をしているなら、そのリスクは知っておいたほうがいいです。そのリスクとは、自分の運命を米国株に預けるリスクです。

ここまで読んで「そんなことは知っている」という人もいると思いますが、そんな人でもリスクをより一層リアルに感じられるように具体的な2つのパターンの資産運用のリターンを紹介します。

  • パターン1:20年間、常に年率7%で上昇する市場(理論的な米国株の市場)
  • パターン2:過去に20年間低迷した実際のダウ平均(1929年-1948年)

この2つの市場のパターンで初期投資として1000万円、毎月10万ずつの追加投資を20年間行ったときのリターンの比較を行います。

米国株にも20年低迷が続いた歴史がある

さて、この2つのパターンの結果をする前に1点謝らないといけないことがあります。

バブルをピークに20年間低迷していた「どこかの国の株価指数」として紹介した上のグラフですが、実はこれは1929年-1948年アメリカのダウ平均のことでした。

低迷する1990年以降の日本株のデータのように伝えてしまったことをお詫びします。申し訳ありません。そしてこのときの1929-1948年のダウの20年間の株価データをパターン2の実際のデータとして使いたいと思います。

ちなみに、今よりも将来の人口増加が見込めた1920-40年代のアメリカで、日本の株価のように20年低迷が続いたということは、どうも株の長期低迷と人口は関係ないようです。つまり、これからも景気低迷や景気刺激策に失敗すればアメリカでも10年や20年単位の株価低迷はありえると言うことです。

資産運用シミュレーションの結果

さて、パターン1とパターン2の結果ですが、差は歴然と現れました。

20年後の資産額
パターン1:理論的な7%成長の米国株 8,913万
パターン2:実際の低迷時の米国株 3,815万

グラフで見た方がインパクトがあると思いますので、グラフも貼っておきます。

結果を見れば、わかるように20年間で5,000万のリターンの違いが生まれています。この差を小さいと感じる人は、そうはいないです。

そして、インデックス投資家の頭の中で考えているリターンはもちろんパターン1です。しかし、万が一、自分の投資期間がアメリカ株の低迷期にあたってしまった場合には、この人のリターンは5000万ほど減ることになります。

米国株インデックスに100%投資するということは、自分の運命をアメリカ株に預けることだという意味がよりリアルにわかってもらえたと思います。

(※ただし重要な点として、パターン1とパターン2には共に配当再投資分をリターンに考慮に入れられていません。1929年時の配当データが手元に無いためです。力不足ですみません。)

米国株には10-20年単位で好不調のサイクルがある。

アメリカ株へのインデックス投資は一見最強に見えたのに、なぜこれほど大きな理論値との差が生まれてしまうのでしょうか。

アメリカ株の超長期的な平均リターンは確かに7%前後なのですが、株は10年単位でリターンのばらつきが大きいことが原因です。次のグラフは年代別のアメリカ株のリターンを表していますが、一定して7%ではなく、いい時と悪い時を繰り返していることが解ります。

なので、万が一自分が投資する20年間が、1930-1940年代や1960-1970年代のように株の低迷期にあたってしまった場合には、想定していた7%リターンよりもだいぶ悪い成績になってしまいます。

時代にあった投資

なお、米国株インデックスが低迷する時代では、国債の価格が高騰したり、また別の時代では金や商品価格が高騰したりと、株以外の別の金融商品がリターンを上げていることが知られています。株が低迷する時代のリスクを知っておくと、そのリスクをどう回避するかという視点から金や国債に目が行くようになります。

ここまで気づくと、たぶん投資家としてもう一つレベルが上がるんだと思います。

金や国債は株よりもリターンが小さいので、常に持っていると株のリターンに負けてしまいます。大きな時代の流れとして「今は株への投資で攻めていい時代」、「今後数年は景気後退のリスクがあるから、現金の比率を増やしたり、金と国債も取り入れて守りに入る時代」というメリハリのある投資を目指すようになります。

こういう上級者の投資家の方を見ていると、リターンが高いからという理由で「投資人生、米国株インデックス一択」という考えをしていないように見えます。平均リターンが株より低くても、10年単位で変化する時代にあわせてリターンを生む資産を購入して、自分のポートフォリオに組み込んでいるようです。

(もしくは、株だけ集中投資しているバフェットでも、時代の流れを見越して買う個別銘柄を変えています)

まとめ

一般的に米国株インデックスへの集中投資は、かなり安定した成績を出せると考えられています。

しかし、10年単位の大きな視点から見た場合に、アメリカ株には好不調の波があるため、20年以上インデックス投資100%でずっと7%の年率リターンを期待するのは、かなり運任せの投資方法と言えます。

たしかに現金で保有しているよりかは、株に投資したほうがリターンが大きくなるので、これから投資をはじめる人にはインデックス投資はおすすめです。しかし、少しインデックス投資に慣れてきた人は、大きな景気サイクルによって米国株インデックス投資はリターンがかなりばらつくことをリスクとして、覚えておいたほうがよさそうです。


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