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貿易戦争の休戦後も残る関税。中国経済に影を落とす恐れ。

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米中、互いの関税が残ったままでの貿易戦争休戦

6月29日、G20での米中首脳会談でさらなる追加関税の発動は避けられ、貿易戦争に一旦は休戦状態に入りました。

「関税は引き上げない」米中首脳会談後のトランプ大統領が明言。

しかし、これで世界の景気減速懸念から解放されたかというと、そうではありません。あくまで「追加の」関税発動が回避されただけで、それまでに課されている関税は引き続き残るからです。

6月29日に発動の是非を判断していた関税は一連の制裁の中でも第4弾と呼ばれており、それまでの第1弾から第3弾までは、依然として米中両国にダメージを与え続けることになります。

これまでの、米中の関税の応酬をまとめると以下の表のようになります。

単位:ドル 米国 中国
第1弾 340億(25%) 340億(25%)
第2弾 160億(25%) 160億(25%)
第3弾 2000億(25%) 600億(10-25%)
第4弾 実施せず 実施せず

これからはこの残存する関税によって、ゆっくりとしたペースで景気減速が続くことが想定されるため、米中を始めとした景気指標に目を配る必要があります。

そして早速ですが、第3弾までの関税で、中国の製造業がじわじわとダメージを受けている統計データが上がってきました。

中国製造業PMIは貿易戦争加熱の5月から低調

さて、6月の中国公式の製造業PMI(購買担当者景気指数)が発表されましたので、見てみましょう。この数字は50を下回ると、製造活動の縮小を意味するのですが、2019年6月は前月に引き続き49.4と50を下回りました。

時期 公式製造業PMI
2019年6月 49.4
2019年5月 49.4
2019年4月 50.1
2019年3月 50.5
2019年2月 49.2
2019年1月 49.5

2019年に入ってからというもの、中国の製造業PMI指数は良くない数字が続きます。年初の1-2月は連続して50を割り込み、この時期に発動させた政府の景気対策により一時は持ち直したものの、5月の第3弾の関税発動から、再び50を下回っています。

6月は5月の数字からは悪化せずにまだ踏みとどまっているものの、翌月さらに下降していく事態にならないか、引き続きチェックが必要な状態です。市場は追加関税の発動がなかったことに安堵していますが、残存する関税はジワジワと中国経済を苦しめるリスクは今なお存在しています。


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