楽観視的になる市場
9月に入ってから、アメリカの景気の先行きについて楽観的になる人が増えています。
貿易協議で揺れていた米中が歩み寄りをみせて貿易戦争の激化から景気後退すると思っていた投資家心理が和らいだこと、2020年大統領選を前に大幅な減税もあるなど、良いニュースが重なっているためです。
米2020年半ばに減税を計画。これからの景気に減税が必要な理由。
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投資家が安心し始めているのは、数字にも現れています。アメリカ国債は投資家が不安になると買われて利回りが低くなり、安心すると逆に利回りが高くなるのですが、米国債10年の利回りは9月4日に底を打ってからずっと上がっています。
これは投資が安堵していること表しています。
9月18日に金利を引き下げる必要はあるか
そうなると、1つ疑問が浮かびます。
最大の懸念だった米中の貿易協議が進展しそうで、なおかつ大幅減税が予定されている今の状況で、9月のアメリカの金利引下げは必要なんでしょうか。
9月17-18日にアメリカの金融政策を決めるFOMCという最も重要なイベントがあり、そこで景気刺激策のために金利を0.25%引き下げると見られています。
でも、8月には市場の100%が金利を引き下げると予想したのに、9月に入ってから引き下げない確率が急上昇しています。CEM FedWatchツールを見てみると、市場の20%は9月のFOMCで金利を引き下げないかもしれないと予想しています。
この変化を時系列でみると、さらに顕著です。
金利予想 | 現状維持 | 0.25%下げ | 0.5%下げ |
---|---|---|---|
最新(9月13日) | 20.40% | 79.60% | 0.00% |
1日前 | 12.30% | 87.70% | 0.00% |
1週間前 | 10.00% | 90.00% | 0.00% |
1ヶ月前 | 0.00% | 96.20% | 3.80% |
1ヶ月前には若干ながら9月18日での0.5%引き下げ予想もあったのに、今やそれはゼロ%です。逆に、金利を引き下げない予想が急上昇していて、1ヶ月前には0%だったのに、最新(9月13日)の調査では20%にも達しています。
基本路線は0.25%の利下げですが、金利引き下げをしない可能性もなくはないです。株式市場は、金利引下げをすることを既に織り込んでいるように見えるので、9月18日に金利現状維持を決めた場合に、少し波乱があるかも知れません。