悪い経済指標でもプラスに転じた市場
アメリカの非製造業が景気が弱くなっていることが昨晩の経済指標でわかり、大きく株価を下げる場面がありました。
10月に入ってから発表された経済指標は軒並み、弱くなっています。
製造業の景気もADP社がまとめた雇用統計も結果が悪く、株価を下げていたところに、今まで順調だった非製造業も良いとはいえない結果になってきたため、「またか」というため息まじりな感情がにじんだのは私だけではなかったはずです。
9月米製造業の景況悪化で株式市場は下落。非製造業や個人消費への影響拡大に注視。
予想を下回ったADP雇用統計。政府発表の雇用統計に不安を残す形に。
しかし、その日の市場は終わってみれば、上昇に転じて終わりました。
どういうわけか見てみると、大手メディアは「これだけ経済指標が不調なら10月末に、中央銀行のFRBが景気刺激の利下げをしてくれるはず」という見方が広まったためだと言います。
10月FOMCの利下げを織り込み始めた市場
CMEが提供しているツールを使って、10月30日のFOMC(金融政策決定会合)の市場予想を見てみるとたしかに、見事に0.25%分の利下げ予想が連日の高まりを見せています。この記事作成時点で、利下げを予想している人は88%もいます。
どうも市場は10月の金利引き下げを熱望しているようです。引き下げ予想一色になってきたため、株価が上がったという見方が広がっています。
個人的にも、この見方はあっている気がします。利下げされれば株にはプラスなので株価が上がり、さらに国債利回りも下がるので国債価格があがりますが、このパターンが見られました。
FRBはどこまで市場につきあうのか
しかし、こうした市場の声にFRBはどこまで付き合うのでしょうか。毎回のFOMCで0.25%ずつ金利を引き下げていたら、2020年の半ばにはゼロ金利になってしまいます。これでは、景気後退前に金利引下げの策を使い切ってしまうことになります。
いずれにしろ、そう遠くない日に再びゼロ金利になって、量的緩和をする未来が訪れそうです。国債を買っている私としては、それは好都合です。