【再考】アメリカ9月雇用統計は「適温」だった。

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適温だった19年9月雇用統計

この記事を書いている数日前に発表された米雇用統計はとても判断が難しい数字が発表されました。失業率は3.7%から3.5%に低下して50年ぶりに低水準になった一方で、賃金の伸びや雇用増加数は予想を下回って悪い数字になりました。

いい結果も悪い結果も混ざった米9月雇用統計。

雇用統計について改めて考えていたのですが、「良すぎず」「悪すぎず」ではなく「適温といえる、ちょうど良い内容」だったのだろうと思うようになりました。

失業率が歴史的に低い水準ので9月現時点の景気は良いのだと思います。ただし、賃金上昇率がおさえられたり、雇用増加数を抑えていることから、経営者が将来のリスクに備えようとしている点で良くない要素も見られます。

この雇用統計に対する市場の見方としては、良い数字・悪い数字が混じっていたものの、事前に想定されていたほど悪くなく、数週間後に控えるFOMCでの政策金利引下げの可能性がなくなるほど強くない、「ちょうど良い」内容だと捉えたようです。

だからこそ、「なんだ。想定ほど悪くなかった」といって株があがり、一方で「月末の金利引き下げの可能性はまだある」と安心して国債も買われる動きがでたようです。

無意識のうちに、発表された数字を「良い内容だったのか」「悪い内容だったのか」と判断してしまう癖がついていたようですが、お風呂の温度と同じで「冷たい」「熱い」だけでなく、「適温」という可能性を頭に入れて判断するべきだったなと、反省しました。

よくよく英語の記事を見ていると、19年9月の雇用統計は「ゴルディロックス」という言葉が並んでいました。日本語ではよく「適温」と翻訳されてることが多い単語です。

ゴルディロックスの言葉の由来

ちなみに、ゴルディロックスという言葉自体に「適温」という意味があるわけではないようです。ゴルディロックスは、もともと「三匹のくま」という童謡に出てくる女の子の名前です。

ゴルディロックスは森の中にある3匹の親子のくまの家に迷い込み、テーブルの上に用意されているスープをこっそり飲みます。父親のくまのスープは熱すぎて飲めず、母親のくまのスープは逆に冷たすぎだったのですが、子ぐまのスープは「適温」だったので、それを好んで飲みました。

その話から、ゴルディロックスという言葉は科学や経済で「ちょうどいい様子」を表す言葉になったようです。宇宙の中でゴルディロックスって言う場合は、生命が存在できるちょうどいい環境の事を言うそうです。

FRBパウエル議長「リスクはあるが、良好な状態」

今回の雇用統計の見方は中央銀行FRBの中でも評価が割れているようですが、トップのパウエル議長は「リスクはあるが、引き続き良好な状態にある」と言っています。

また「われわれの仕事は、可能な限り長期間、その状態を維持することだ」と言っていることから、今の状態はパウエル議長の中では「適温」と捉えていそうです。

10月前半発表の統計

ということで、10月1週目に発表された数字をまとめると、企業の経営者が抱える景況感は悪化したものの、実体経済を示す一番重要な数字である雇用統計は「適温」だったと言えます。

19年10月米統計 景況感 実体経済
悪い ISM製造業指数
ISM非製造業指数
ADP雇用統計
適温 雇用統計
良い

参考記事:9月米製造業の景況悪化で株式市場は下落。非製造業や個人消費への影響拡大に注視。

参考記事:米非製造業、予想を下回る景況感に暗雲立ち込める。

参考記事:予想を下回ったADP雇用統計。政府発表の雇用統計に不安を残す形に。