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7月FOMCは10年ぶりの利下げを視野も、市場との認識で埋まらない溝。

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2019年7月の金融政策決定会合FOMCまであと1週間です。この会議で、アメリカは2008年12月以来、10年半ぶりの政策金利の引き下げをすると見られています。

そんな中、トランプ大統領は牽制に余念がありません。昨年の中央銀行FRBの相次ぐ金利引き上げ幅は大きすぎて早すぎる失敗だったと批判した上で、今月のFOMCの利下げ判断では「二度と失敗するな」と釘をさしています。

将来、実際に経済が落ち込んだ状態で、利下げ幅を大きくするのは大きなコストがかかります。今なら、コストをかけずに、効率的に利下げを実行できます。昨年、FRBはあまりにも大きく、そしてあまりにも早く金融の引き締めを行いました。言い換えれば、ミスをしたのです。(大きなミスを!)再びミスするなんてことは無いように! (トランプ大統領)

しかし、トランプ大統領が牽制するまでもなく、7月は利下げが行われる公算がかなり高いです。そして、その利下げ幅もFRBと市場で認識ともに0.25%を引き下げると認識が一致しているように見えます。

しかし、7月のFOMC以降については、FBRと市場で認識のずれが生じているように見えます。このズレを7月のFOMC後のパウエル議長のコメントで修正してくるかどうかが気になるとことです。

それでは、FRBと市場の認識で「一致している点」と「ズレが生じている点」について、見ていきましょう。

市場とFEBで一致する7月の利下げの見解

まず、市場とFRBで認識が一致していると見られるのは、「7月に0.25%の利下げをする」という点です。

市場の多くが利下げを予想する中で、FRBパウエル議長も「(経済の減速の懸念に対して)適切な対応をする」と繰り返し発言していることから、7月に利下げをすることはほぼ間違いなさそうです。

また、その利下げ幅については、市場の大部分の80%が0.25%の利下げをすると見ており、FOMCで投票権を持つメンバーの中で最も利下げ推進派の1人のセントルイス連銀のブラード総裁が7月19日に「0.25%が望ましい」と話していることから、利下げ幅も0.25%でほぼ間違い無いと思います。

市場の80%が0.25%の引き下げを予想

市場とFEBで、認識が異なる点

しかし、7月以降の利下げの動きについては、市場とFRBで大きく異なっています。

市場は7月を含めて年内に3回の利下げを予想していますが、利下げ推進派のセントルイス連銀のブラード総裁は、「7月の利下げは相次ぐ利下げの開始を意味するのではなく、政策金利の再調整だ」と言って、年内の度重なる利下げに対しては慎重な姿勢を見せています。

年内の利下げ予想の調べ方はこちらを参照:【中級者向け】米国金利動向の市場予測の調べ方

7月以降は、9月、10月、12月の3回のFOMCが開催されますが、この3回分で引き続き利下げを行うか否かで、市場とFRBの認識の溝は溝が埋まっていないのように思えます。

7月のFOMCの声明文では、何らか年内の利下げについてコメントがあるかも知れません。市場は年内複数回の利下げを見込んで、株価が上がっているので、それが過度な期待なら早めに修正する必要があります。


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