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思っていた展開と違う出来事2つと投資への影響

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最近、「あれ、思ってた展開と違うぞ」と思うことがいくつかあります。

中でも投資に直結しているのは、アメリカの景気対策がもっと大規模なものが立て続けに続くと思っていたのに、思いのほか追加経済対策がなかなか打たれないことです。

もう一つは、アメリカは新型コロナウイルスの抑え込みにもう少し徹底的に取り組むと思っていたのに、経済を優先させた結果、感染の再拡大のスキを与えていることです。

これら2つは少なくとも私の想定とは違いました。そのおかげで、一部の投資は思ったようにはいっていないものもあります。

この記事のポイント

  • 米政府は想定よりも追加の景気対策に慎重だった。戦時中のように大量に国債を発行して価格は下落しやすくなると思い3月に米国債売却したが、大きな価格の下落はまだ起こっていない。
  • アメリカは新型コロナウイルスの抑え込みよりも、いち早い経済再開を優先させた。結果、感染の再拡大を招いて、7月時点でアメリカの景気回復の雲行きが怪しくなってきた。4月が感染のピークなら、今後は景気は回復すると見込んで株を買い増すだけだったが、景気の最悪期がこれから訪れる可能性も出てきた。

米政府は意外にも景気刺激策に慎重だった


正直言うと、アメリカ政府はもっと積極的に景気刺激策を次々と打ち出してくるものだと思っていました。

たしかに、3月に打ち出した景気対策は2-3兆ドルと言われる大規模だったのでインパクトはあったと思います。

アメリカの通貨と銀行預金の合計(M1:以下図)を見ると3月以降に激増しています。

2020年3月からアメリカの現金・預金は急増

シーゲル教授は世の中に溜め込まれている預金が、経済が再開する来年から再来年にかけて消費に回り、力強い経済回復とインフレ率上昇が起こると見ているようですし、もちろんそうなれば、株もプラスになるはずです。

ただし、個人的には思ってた規模よりも小さい印象があります。

3月の景気刺激策は良かったと思いますが、それから4ヶ月たっても、アメリカの新型コロナウイルス対策の景気刺激策はいまだに3兆ドルのままです。(IMF参照)

5月時点で野党・民主党はさらに追加で3兆ドルもの景気刺激策を提案していましたが、未だに実現してません。

2020年以降は次々と景気策が発表され、大量な国債を新規発行して、国債の価格は下落すると考えて3月後半に国債を売却していました。しかし、追加の景気刺激策はなかなか実現せず、大規模な国債の下落もなかったので、結果論ですが、そこまで急いで一気に売らなくても良かったかなと思っています。

健康よりも経済を優先させたアメリカ


もう一つの想定外は、アメリカが新型コロナウイルスの感染拡大の抑え込みよりも、経済活動の再開を優先させたことです。

過去のパンデミックのスペインかぜのときには、感染拡大をしっかり抑え込んだ都市のほうが、その後の景気回復が力強かったというデータが残っています。

しかし、2020年のアメリカは経済を気にするあまり、感染拡大防止策を早期に解除して、感染拡大を広めている点が気になります。このままではウイルスの抑え込みに時間がかかり、結果的に経済に大きなダメージを負う気もします。

今朝の段階でアメリカは1日で新規感染者数を7万人を超えていて、アメリカの感染症の権威のファウチ氏が言うように1日10万人のペースで増える日もそう遠くない日にやってきそうです。

7万人を超えたアメリカの新規感染者数

投資への影響


この2つの想定外な出来事は、私の投資の行動に若干の影響を与えそうです。

もともと2019年8月の時点から、以下の記事で次に景気が悪くなったときまで国債を保有し、政府が大規模な景気刺激策を打ったら株への投資に転換すると言ってきました。

2020年は想定ほど大きな景気刺激策にはなりませんが政府は3兆ドルを支出しているので、ちょっと早かったとしても国債の売却は進めてよそうですが、問題は株の購入にいつ強気に転じるかです。

SARSのときには感染のピークだった第2波のピークが過ぎたときが、株の買い時でした。

SARS流行時の香港株推移

本当はアメリカが4月をピークに新型コロナウイルスを抑え込んでくれていたら、4月以降に国債を売った資金で株を買い増すだけのシンプルな投資でした。

しかし、上の新規感染者グラフを見ている限り、どうも最悪期はまだ過ぎていないようです。そうなると、これからの投資でいつ株を買い増しをしたら良いのか、考えなければならなくなります。

SARSのときと違って、今度は積極的にワクチンを開発しているので「感染者のピーク」だけでなく、「ワクチンの承認」が株の買い時のGoサインになる可能性もあります。今後は検討することが増えそうです。


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