かつて日本では、世界の流行りに流されずに日本独自の進化を遂げたためにガラパゴス携帯(ガラケー)と呼ばれるものを生み出したことがありました。
ただし、今世界で流行りつつあるものは、ガラケーのように周りの国の干渉を受けないことは難しそうです。
世界では景気対策として減税などの財政出動を計画する国が増えてきていて、消費増税を計画する日本と綺麗な対比が生まれています。
経済対策を検討し始めた世界各国
2019年8月に入ってから、世界各国で減速する景気を食い止めるために減税などの経済対策を計画する動きが急速に広がっています。
この1年に何度かGDPマイナス成長を経験して低成長にあえぐドイツとイタリア、そしてまだ景気は緩やかに拡大しているアメリカまでもが、減税などの政府主導の経済対策を打ち出し始めています。
伊、「衝撃的な」刺激策に500億ユーロの予算必要=同盟党首(ロイター)
米ホワイトハウス高官、景気減速回避へ給与税減税を検討=WP(ロイター)
アメリカの場合は、大統領選を控えて景気を底上げしたいという狙いがあるのかもしれませんが、ドイツなど財政出動をせざるを得ない状況に直面している国が出てきているのは、よろしくない兆候です。
政策の対比が円高を招く
一方で日本はというと、かねてから計画していた悲願である消費税の10%引き上げを実施しようと邁進しています。
これは世界の流れと逆行する動きで、世界と日本では綺麗なコントラストが生まれようとしてます。
- ドイツ「製造業が低調で景気後退しそうだ。いざとなったら財政出動も辞さない。最大500億ユーロまで用意できる」
- イタリア「一時期のマイナス成長は脱したが、とにかく景気が弱い。増税回避だけでは不十分で、減税が必要だ。」
- アメリカ「まだ景気拡大中だけど、減税を計画中」
- 日本「5年ぶりに消費税を引き上げます」
- 一同「!?」
世界の国もこの発言はビックリでしょうね。ただし、携帯と違って、今回は景気なのでお互いに影響を受けることになるでしょう。
日本の増税の単体の影響として、長い時間をかけて政府の増税時の景気対策の効果がなくなった頃に、日本の景気が悪化するのはおそらく間違いないでしょうが、世界の経済政策の影響も受けて、円高もより進行する気がしています。
世界が議論を進めている減税などはインフレや通貨安を起こす政策です。一方、日本が進めようとしているの消費増税は今後ずっと消費を抑える力が働き、デフレと通貨高を招きます。
となると、どうにも円高が進みそうな気配がしてくるのです。
私の資産はかなりの金額がドルベースの資産なので、ダメージは避けられそうにないです。
日本も世界にも消費税にも負けない大規模な景気刺激策を打ち出してくれればいいのですが、その気配はあまり感じないため、自分でなんとかするしかなさそうです。
もしくは見方を変えて、円高になればたくさんの海外株を買えるとポジティブに捉え直すのも良いかも知れません。この場合、既存の米国株の資産は減少しますが、今後も追加投資をする予定なら、次の円高期を利用してドル資産をたくさん買うのもありかなと思いました。