直近一週間の一番大きかった動きは、間違いなく米国金融政策決定会合FOMCだと思います。
FOMCでは一部の人が期待していた2019年6月での利下げは結局実現しませんでしたが、パウエル議長が今後の利下げに含みをもたせたことで、市場は一定の安堵感に包まれ、翌日はS&P500が歴代最高値を更新する展開となりました。
さて、2019年6月のFOMCの政策金利変更なしは市場の大半が予想してたので、想定通りの展開だったと言えます。しかし、FOMC前後で大きく劇的に変わったものがあるのですが、何だかわかりますでしょうか。
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正解は、2019年7月の金利の市場予想です。FOMC開催前は市場の7割弱が7月に2-2.25%への利下げが行われると予想されていましたが、それでもまだ2割弱の人々は利下げなしの展開を予想していました。
以下、証拠写真です。今後の金利の市場予想を調べるFedWatchツールで見たときには、以下のような図が表示されていました。
なお、FedWatchツールの見方の詳細はこちらのページを参照下さい。
ところが、FOMC後に再度FedWatchツールを見ると、その様子は一変しています。
どうでしょう。まず、グラフが1本少なくなっています。現行の金利は2.25-2.5%なのですが、次回FOMC開催後も現行の金利のままで推移しないと予想している人はいなくなっています。つまり市場は7月に100%の確率で、利下げを予想し始めたことになります。
この結果を見る限り、現時点では利下げはまず既定路線で、焦点は利下げ幅に移っているようにも見えます。0.25%の利下げがメインですが、一気に0.5%も下がると予想する割合もFOMC前後で増えています。
ただし、この予想は今週行われるG20首脳会議での米中会談前の市場予測です。この米中会談は、今後の貿易協議を大きく左右するので、この結果を受けてFOMCでの利下げ予想も大きく変わることは必須です。
G20首脳会議で予想が変わる前に、現時点の市場予想を記録として残したく、短いながら記事にしました。
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