3月は2月までの流れが大きく変わった月になりました。
2月はアメリカの景気がまだ強く、それならインフレはまだ根強く利上げも必要だと思われていました。しかし、3月中旬に金融引き締めによっていくつかの銀行が破綻してからは、流れが変わったように思います。
毎月書いている1ヶ月の振り返り記事として、3月に起こった出来事のまとめと現時点のポートフォリオを書いておきます。
>>米国の利上げ予想が一段と強まった2月【23年2月振り返り】
この記事のポイント
- 銀行の破綻から流れが変わった。利上げ予想はなくなって長短金利差は縮小し、景気後退が一段と近づいた印象がある。
- FRBや財務省のすばやい救済策で、一見すると混乱は収まったようにも見える。S&P500も株価は回復して下落分を取り返した。
- しかし、銀行株は低迷が続く。いくつかの銀行の背景には金融引き締めがあるので、数カ月後に別の銀行でも問題が再燃する恐れは十分にある。
3月に訪れた変化
変化が訪れたのは3月半ばのシリコンバレーバンクの取り付けさわぎからでした。
もともとこの銀行の預金者には資金力のない企業が多く、2022年から金融引き締めで資金繰りが苦しい企業が預金を引き出す動きはありました。
預金が減ったシリコンバレーバンクは損を覚悟で国債を売ってでも現金を確保しようとしたところに、信用不安が起こって預金者がいっせいにお金を引き出す取り付け騒ぎが起きて破綻してます。
どんな変化が訪れたか
1つの銀行が破綻しただけにも見えそうですが、このイベントの影響は大きかったです。
- 原因の一つは金融引き締めであり、FRBは積極的な利上げができなくなった。
- シリコンバレーバンクが行っていたような企業への積極的な貸出しを他の銀行が控えれば、経済の成長が減速してリセッションの懸念が出てきた。
特に、市場の政策金利予想はシリコンバレーバンクの破綻の前後で大きく変わりました。
シリコンバレーバンクの件が報道される前(3月8日)の時点では、今年のうちに市場の投資家は最高で5.5%までの利上げを予想していたのですが、現在では利下げのみが織り込まれています。
そして、市場は「そろそろ景気悪化が近い」と予想し始めたようにも見えます。
リセッションに入るまでには、10年国債利回りから2年国債利回りを引いた値がマイナスからプラスに転じる動きがあるのですが、それが始まっています。
銀行の混乱はまだ終わっていない
ただ、FRBやアメリカ財務省がすばやく銀行救済策に動いたおかげで、いったんは市場は落ち着いたように見えます。
S&P500はシリコンバレーバンク破綻時からの下落から回復しています。
ただ、これで銀行の信用不安が解決したと判断するのは早いです。銀行株は大きく売られたままの状態が続いていることからも、問題はまだ解決していないことがわかります。
そもそも、S&P500が3月の下落から回復したのも一時的なものかも知れません。
こちらの記事で書いたように3月後半のS&P500の回復は、銀行救済策でFRBがドルをバラまいたことで上昇したように見えますが、ドルのバラマキの規模はすでに縮小したかも知れないからです。
色々かきましたが、私はまだアメリカの銀行の不安定な時期は続くと思っています。
現時点のポートフォリオ
毎月の振り返りの記事の最後に、2023年3月末時点のポートフォリオを公開します。
資産額は$433,449(約5775万円)になっています。2022年になってからのリターンはドルベースで+21.3%です。
この資産額には米国株の含み益20%分、暗号資産には含み益の55%は税金で取られるものとして除いてます。
税引前の資産額は$519,118(約6890万円)、年初来+41.5%になっています。
株資産推移
2014年の株資産の推移はこちらです。2018年9月以降は追加で入金していません。
資産構成
保有銘柄
このページの最後に、保有銘柄の一覧表を掲載します。
銘柄 | シンボル | 評価額(ドル) |
---|---|---|
ビットコイン | BTC | 231002 |
超長期米国債 | TLT | 157809 |
現金 | – | 37321 |
イーサリアム | ETH | 7317 |