2020年5月は新型コロナウイルスの流行で止まっていたアメリカの経済が再開をはじめましたが、まだまだ景気はかなり弱いです。
ただ、株価は順調に回復を続けています。S&P500の5月のリターンは5.15%で好調でした。
前月の振り返り記事で「世の中の金余りが米国株を押し上げている」と書きましたが、5月もこの動きが続いたようです。
S&P500は大幅上昇、33年ぶりの月間17.8%増を記録した4月【20年4月振り返り】
「歴史的な勢いで急減速する経済」と「新型コロナの収束への期待&アメリカ政府の巨大な景気刺激策」の綱引きの結果、私は「歴史的な勢いで急減速する経済」の影響のほうが強いと判断して株が悪化すると見ていたのですが、結果は違ったようです。
景気がかなり弱いので株が一時的に急落することもあると思いますが、中長期的に見て今後も株高になりやすい傾向は続くと思います。それほど、中央銀行FRBや米政府の政策は強力です。
この記事のポイント
- 新型コロナウイルスの規制が解除されて、アメリカの経済は再始動が始まったが、まだかなり景気は弱い。
- 米政府や中央銀行のおかげで、世の中に大量にマネーが供給されている。その一部が株式市場に向かって株価が上昇している。
- こうした環境のなか資産に占める米国株の保有比率を40%から50%に引き上げた。
アメリカ経済と市場の動き
5月には4月分の様々な経済データが発表されましたが、結果はかなり悪かったです。多くの経済指標で歴史的な低水準に落ち込みました。
失業率は1930年代の大恐慌以来の水準にまで悪化し、アメリカ経済の大部分を占める個人消費が大きく低迷しています。
歴史的な低迷を見た2020年4月のアメリカの景気。
5月は4月分のアメリカの景気を数値化した経済指標が多く発表されましたが、どの内容も歴史的な低水準でした。3月13日にアメリカで新型コロナウイルス流行の緊急事態宣言が出されて、4月は1ヶ月通じてほとんどが外出禁止の規制が敷かれていたこともあり、幅広い分野で経済活動が停止していました。
景気低迷でも上昇する株価
こうした中でも株高が上昇している要因は、一言で言うと「強力な景気刺激策で世の中に溢れたマネーの一部が株式市場に向かっているから」です。
特にアメリカ政府の景気刺激策の規模はとても大きく、審議中の景気対策案も含めると戦争景気を生み出した第2次世界対戦中の支出規模に匹敵するほどです。
米政府の膨らむ支出、株高トレンドが始まった1942年の水準が視野に。
2020年のアメリカは既に新型コロナウイルス関連の経済対策で3兆ドル使うことが決まっています。また、議論中ではあるもののアメリカの野党はさらに追加で3兆ドルの経済対策を打ち出したいようです。
1940年代のアメリカを振り返ると、当時のGDP30%分に相当する戦争の支出で大量のドルが民間に供給された結果、それまでの不景気を脱して、株高に繋がった歴史があります。(詳細は上記記事を参照)
2020年のアメリカもGDP比30%規模の景気刺激策が見えてきて、株が上がっています。
米国株保有比率を10%分引き上げ
個人的には、経済が低迷しているのに株が上がる相場は好きではありません。
一時的に経済の成長と株価が反対に動くことはよくありますが、長期的に見たら2つは連動して動く傾向があるので、「どこかで株が急落するのでは?」と心配しながら投資を続けることになるからです。
ただし、世の中にあまりにも大量のドルが供給されて、その一部が株式市場に向かっている動きがあるので、私も今月米国株の保有比率を40%から50%に引き上げました。
購入したのはGoogle、マスターカード、ビザ、S&P500に連動するETF(VOO)です。Google、マスターカード、ビザは4-6月期の決算を見てから買おうかと思っていましたが、少し早めに購入しています。
経済の成長を伴わない株高はもろいので、一時的な急落が何度もあるかもしれませんが、FRBと米政府の強力な景気刺激策がある限りは、米国株の投資は続けていこうと思います。
今後数年以内に大きな転機を迎えるとしたら、世の中に大量のドルを供給したFRBと米政府の政策が終わるタイミングだと思っています。
FRBと米政府の下支えが続く限りは、米国株に強気。
最近は米中の対立に関するニュースが増えていますが、長期投資家として私が注目するのは米中対立ではなくFRBの金融緩和と米政府の景気刺激策です。これから米中対立やウイルス再流行などで株価が下落する局面があると思いますが、これらの一時的な株価の低迷も結局はFRBや政府に支えられて回復すると思っています。
2020年5月末の資産状況
最後に2020年5月末時点の資産状況をここに残しておきたいと思います。
2020年5月31日時点の資産額は294,055ドルで、3167万円でした。2020年のリターン+8.1%は、S&P500の-4.97%に比べても、まずまずの成績でした。
米国株には含み益の20%分、ビットコインには含み益の55%は税金で取られるものとして除いているので、税引き前のリターンならもっと良いはずです。
(ビットコインの税金は実際には55%も取られるほど含み益は出していませんが、面倒なのでいつも55%で計算しています)
2014年からの資産推移額
資産構成
銘柄 | シンボル | 評価額($) |
---|---|---|
ビットコイン | BTCUSD | 92251 |
ノボノルディスク | NVO | 33761 |
iShareゴールドトラスト | IAU | 28266 |
米ドル | USD | 27047 |
S&P500 | VOO | 22380 |
アマゾン | AMZN | 12212 |
マイクロソフト | MSFT | 8613 |
マクドナルド | MCD | 8012 |
マスターカード | MA | 7823 |
ビザ | V | 7224 |
アルファベット | GOOGL | 7168 |
ジョンソン&ジョンソン | JNJ | 6991 |
ウォルト・ディズニー | DIS | 6452 |
アドビ | ADBE | 5799 |
ネットフリックス | NFLX | 3778 |
ペイコム | PAYC | 2972 |
P&G | PG | 2898 |
ウォルマート | WMT | 2481 |
コカ・コーラ | KO | 2334 |
3M | MMM | 2190 |
リフト | LYFT | 2188 |
アメリカンエキスプレス | AXP | 951 |
ウェルスファーゴ | WFC | 265 |