2020年の最初の月が終わりました。
私の資産は今月+4.5%ほど上昇して終え、ドル資産は28.3万ドル(3070万円)でちょっとだけ最高額を更新しています。
最後の週にアメリカ株が下落しなければ、もう少しだけ成績が良かったのですが、2019年飛ばしすぎたので少し休憩が必要だったのでしょう。健全な下落だと思います。
1月は小さな規模のイベントが数多くあり、思い出すだけでお腹いっぱいになりそうですが、振り返っていきたいと思います。
この記事のポイント
- 2020年はイベントが多かった。個人的に気になったものは「FOMC」「逆イールド現象発生」「仏・伊マイナス成長転落」。
- 新型コロナウイルスのニュースは毎日紙面を賑わせているが、得体の知れないものへの「恐怖」が支配している状態。ひとまず様子見が必要。
- 個人の資産はやや増加した。国債・金・ビットコインが好調だった。
イベントの多かった1月
1月は何と言っても、市場が注視するイベントが多かったです。年明けのアメリカ・イランの対立に始まり、月末の新型コロナウイルス流行まで、目白押しでした。
- アメリカとイランの対立が激化(しかし、わずか数日で事態は一時的に沈静化)
- 米中第一弾合意署名
- 米国決算シーズンで米国企業好調を維持
- 新型コロナウイルスが中国で流行
- アメリカの金融政策を決めるFOMC開催
- 逆イールド現象発生
- フランス・イタリアの2019年10-12月GDP、マイナス成長に転落
1月で起こったイベントを数多く並べましたが、このなかで重要なものは何かと言われれれば、個人的には「FOMC」「逆イールド現象発生」「フランス・イタリアの景気低迷」だと思っています。
この3つ以外のものについては、少なくとも長期投資家はそこまで注意を払わなくていいと思います。さらっと、理由を触れます。
- アメリカ・イランは両国に戦争をするつもりがないので当面の激化はなさそう。
- 「米中第一弾合意」については、2019年で既に株価上昇で織り込み済み。第2弾はまだ進展なし。
- 新型ウイルスはまだ様子見でいい状態。
新型コロナウイルスの扱いについて
「こんなにニュースになっているのに、新型肺炎の影響を気にしなく良いの?」と思われるかもしれないので、少し補足します。
世間は新型コロナウイルスのニュースで溢れかえっていますが、混乱は数ヶ月から長くても1年の話です。また、新型ウイルスの致死率はSARSと比べてもそれほど高くありません。
患者数(A) | 死者(B) | 推定致死率(B÷A) | |
---|---|---|---|
新型コロナウイルス | 11,374人 | 259人 | 2% |
SARS | 8,273人 | 774人 | 9% |
インフルエンザ | 10億人/年 | 約25-50万/年 | 0.025-0.05% |
数ヶ月から1年で収束しそうなウイルスよりも、「FOMC」「逆イールド」「仏伊の景気低迷」などの10年に1度ほどの頻度で訪れる不景気にどう対応するかのほうが、長期で投資する私にとっては重要かなと感じています。
ただ、新型コロナウイルスは全く収束する兆しがない状態でSARSの患者数を軽く超えたので、想像以上に規模が大きくなる恐れもあると思って、毎日患者数の確認だけではしています。
【新型コロナウイルス】世界中の患者数をトラッキングするwebサイト
新型コロナウイルスの猛威は、発生源の中国を中心に世界中に広がりを見せています。現時点でのウイルスの流行を一目でパッと分かるようにまとめているサイトがあるので、紹介します。
「いつ収束するか」だけ気にしていますが、まだ時間がかかりそうです。
2020年1月のFOMC
今月のFOMCはかなり静かに過ぎ去りました。政策金利の変更もなく、声明文の変更もほとんどありませんでした。
一点だけFOMCで重要な点があるとすれば、FRBが2019年9月から続けていた短期国債の購入は4月まで継続し、金利が安定していれば第2四半期で買い入れを減額させて、小規模なプログラムに移行する予定と発表されたことです。
もしもFRBの短期債購入が2020年前半で終了すれば、そのタイミングで株価が上昇する力弱まるかもしれないと少し心配しています。なぜ、そう思うのかはこちらの記事にまとめました。気になる方は、ご一読下さい。
資産が減少しはじめたFRB。米国株への影響には要警戒
2019年9月以降は、FRBが市場にたくさんのマネーを供給してきて、株などの資産価格が上昇していました。もしも、FRB資産増加ペースが鈍ったり、今後減少に転じれば、米中貿易や新型ウイルスよりもずっとアメリカ株に大きなインパクトを与える可能性があります。
景気後退のシグナルが発動
そして、私の中で1月で最も気になった出来事は、景気後退のシグナルである長期と短期の金利の逆転現象(逆イールド現象)が起こったことです。
今日も、アメリカで逆イールド現象が発生しているようです。
「10年米国債利回り 」が「3ヶ月米国債利回り」を下回ってしまう、景気後退前の数ヶ月から数年前に見られる現象です。
この現象だけでは、景気後退がいつ起こるのかはわかりませんが、あまりいい気分はしないですね。 pic.twitter.com/UsSyiH5HRK
— yuta (@YutaInvestJP) January 30, 2020
この現象の発生で、多くの人が「米国は株が好調だけど、数年以内には景気の拡大が終わるかもしれない」「景気サイクルの後半にいるのだ」という印象を強めたと思います。
>>【解説】12年ぶり発生した景気後退シグナル、逆イールドとは何か。
フランス・イタリア19年10-12月期マイナス成長へ転落
米国で逆イールド現象が発生すると、今度はヨーロッパでも景気が思わしくないニュースが入ってきました。
フランスとイタリア、予想外のマイナス成長-19年10~12月GDP(ブルームバーグ)
私はアメリカの景気は世界の中でもかなり力強いほうだと思っています。なので、逆イールド現象が発生しても、すぐには景気が悪化するとは思っていません。
もしも、米国の景気が悪化するなら、それはヨーロッパ・日本・中国の景気が同時に落ち込んだ時です。米国の景気はアメリカはグローバルで活躍している企業が多いので、世界の経済大国で同時に景気が悪化すると、米国企業の収益が急減速する恐れがあると思っています。
すでに日本は消費税増税の影響で景気が減速しそうなムードがある中で、フランス・イタリアのマイナス成長転落が伝えられました。
世界の国々で少しずつ景気の変調が見えているのが、気になります。
こうした景気の減速は、経済の調子が悪い国からゆっくりと進みます。まだすぐに株を売ったりする必要がないですが、経済規模がそれほど大きくないイタリアやフランスと言えども、軽視はできない印象を受けます。
まとめ
1月の経済の様子を一言で表すと「変調」かもしれません。もっと正確にいうなら「変調の兆し」が見えた気がします。
2019年の注目は、「米中貿易戦争」、「ブレグジット」、「逆イールド現象」でした。米中とイギリスは2019年末に安定化したのですが、新たなリスクが浮かび上がった月になりました。
保有銘柄
記事の最後に、2020年1月末時点の資産状況をメモしておきます。
今月は国債・金・ビットコイン・好決算を出した株(アマゾン・マスターカードなど)が好調でした。
S&P500の成績がほとんど横ばいに終わった月でも、長期米国債TLTは+7.7%、金IAUは+4.6%、ビットコインBTCは+30%上昇してくれました。
シンボル | 数量 | 評価額($) | 損益(%) |
---|---|---|---|
TLT | 503 | 73387.7 | -0.54 |
IEF | 420 | 47896.8 | 0.03 |
NVO | 512 | 31145.0 | 65.90 |
BTC | 3.30 | 30967.7 | -7.34 |
IAU | 1810 | 27457.7 | 5.86 |
GOOGL | 6 | 8596.7 | 102.42 |
DIS | 62 | 8575.2 | 36.08 |
FB | 42 | 8480.2 | 72.33 |
MA | 26 | 8214.4 | 249.81 |
MCD | 32 | 6847.0 | 124.94 |
AMZN | 3 | 6026.2 | 141.65 |
JNJ | 34 | 5061.6 | 62.28 |
PG | 25 | 3115.5 | 51.68 |
KO | 50 | 2920.0 | 46.27 |
SBUX | 31 | 2629.7 | 58.65 |
WMT | 20 | 2289.8 | 42.38 |
ACN | 11 | 2257.3 | 52.48 |
MMM | 14 | 2221.2 | 21.38 |
V | 10 | 1989.7 | 173.91 |
AXP | 10 | 1298.7 | 47.74 |
USD | – | 1067.7 | 0.00 |
WFC | 10 | 469.4 | 8.09 |
XOM | 5 | 354.1 | -10.36 |
合計 | – | 283269 | 17.8 |