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ジャクソンホールを控え、市場に警戒感。

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先週に引き続き、米国株は下落しているようです。

FRBパウエル議長のジャクソンホールでの講演を金曜日に控えて、今後の金融政策への警戒感から株が売られているようにも見えます。

この記事のポイント

  • 米国株は先週終わりからやや調子を落としている。
  • VIX上昇やハイイールド債の下落が示すように、短期的に株価が荒れ、下落をする恐れがある点に注意。
  • 背景にはあるのは、FRBパウエル議長の講演。この講演で話されるはずの今後の金融政策に対して、警戒感がある模様。

6月から続いた株高が一休み


8月22日の月曜日も米国株は全体的に調子を下げているようです。S&P500は2%以上の、2ヶ月ぶりの下げ幅を記録したようです。

また、最近は低下傾向にあった恐怖指数と呼ばれるVIXの値も上昇に転じたようにも見えます。

2022年になってからVIXは周期的に変動しているように見え、VIXが上昇している時には株価は大きく下げやすい展開になっているので、今回も同じ傾向なら短期的にはもう少し下げるのかも知れません。

景気や企業業績が悪化すると下落するハイイールド債の動きを見ても、S&P500よりも2営業日だけ早く下落を開始して今も下落傾向が続いているようです。ハイイールド債の下落が景気や企業業績の悪化を心配しているものなら、株価にとっても悪い知らせとなります。

パウエル議長の講演に警戒感

8月上旬の力強い雇用統計や8月中旬のインフレの鈍化が見られた消費者物価を受けて、「しばらくはまだ株は上昇するかも」と私も思っていた矢先だったので、今回の下落は少し残念です。

背景にあるのは、恐らくFRBのパウエル議長の講演への警戒感のようです。

毎年この時期にある講演は、FRBが重要な金融政策を発表する場として使われたりしています。思い返すと、去年はテーパリングの開始を宣言した講演でもありました。

>>【2021年ジャクソンホール】2021年内のテーパリングの見通しを初めて示したパウエル議長

ただ、去年のテーパリングは完全にサプライズで発表したわけではなく、それ以前にFRB高官たちがテーパリングの話題をほのめかしていました。

このときと同じような感じになるのなら、今回もパウエル議長の発言の前にFRBメンバーが何を言ってきたかが鍵になりそうです。

そこで、最近のFRB高官達の発言を拾っていくと、次のようなものが目につきます。

  • FRBはインフレ率の(2%台ではなく)2%に戻すことをコミット(バーキン総裁)
  • 政策金利は(中立金利ではなく)景気を抑制できるレベルにまで引き上げる必要がある(バーキン総裁)
  • アメリカでインフレがピークを迎えたとはまだ言い切れない(ブラード総裁)
  • 高い政策金利の水準が6ヶ月または1年は続きうる(デーリー総裁)

次の利上げ幅をいくつにするか、アメリカが景気後退に陥るのかは人によって意見が割れているようですが、インフレが2%に戻るまではFRBとインフレとの戦いは終わらず高い政策金利もしばらく続くという点では、どの総裁も意見が一致しているように見えます。

パウエル議長も総裁たちと同じスタンスなら、今週金曜日に発表されるジャクソンホールでの講演も引き締めの話が色濃くでるのかも知れません。

こうした心配からアメリカ10年国債利回りは3.0%まで上昇、市場の政策金利予想もわずかに引き上げられています。

国債利回りの上昇も、政策金利予想の上昇もどちらも株価にとっては良くないので、株価も調子を崩しているようです。


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