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Spotify、有料会員数が30%増加で黒字化。予想を超える好決算【2019年3Q】

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Spotifyに注目する理由

2019年3Qのスポティファイの決算は良かったです。ただし、その話に行く前に、少しspotifyに注目している理由について話をしたいと思います。

注目の理由は一言でいうと、面白いことをやっている企業だからです。先見の明があるサービスを提供できている点で、この企業は注目に値します。

2018-2019年は音楽・動画・ゲームなど様々な定額制サービス(サブスクリプション)が誕生して空前のブームが来ていますが、さかのぼること10年以上も前、2008年から音楽定額制配信サービスをスタートさせた先見の明がある企業がSpotifyです。

もう一つの理由は、そのSpotifyが今後はポッドキャストに注目している点です。ポッドキャストはすっかり人気がなくなったツールだと思っていたのですが、アメリカでは今再ブームが来ています。そして、Spotifyはポッドキャストを配信するユーザにお金が入るYoutuberに似た仕組みを取り入れて、このブームの波に乗ろうとしています。

ポッドキャスト版Youtuberも誕生。ポッドキャストを巡る新たな攻防。

私はまだこの会社には投資するつもりはないですが、Spotifyが早い時期からサブスクリプションを注目していた点、さらには今後に向けてポッドキャストのマネタイズに取り組むなど、Spotifyの内部に先進的で尖ったセンスを持っている人の気配を感じるので、決算を追いかけています。

2019年3Qは予想を超えるいい決算

音楽配信サービスのSpotifyは2019年4-9月期の決算を発表しました。結果は良かったですね。利益も収益もアナリスト予想を超えてきた上に、久々の黒字決算となりました。

  • 一株利益:-0.29ユーロ予想を上回る+0.36ユーロ
  • 収益:17.2億ユーロ予想をわずかに上回る17.3億ユーロ(前年比+28.9%)
  • プレミアム会員数:アナリスト予想1億1120万人を上回る1億1300万人(前年比+30%)

サブスクリプション(プレミアム会員費)が社運を分ける

さて、普通の有名企業なら利益と収益を見た後は、どの部門や製品・サービスが調子良かったのかを見るところですが、Spotifyの場合はその必要がありません。

Spotifyの売上は極めてシンプルで、プレミアム会員費用で集めた売上がほぼ全てを担っているからです。良くも悪くも、この会社の命運を分けるのはサブスクリプションで集めた会員費です。

収益構造(100万ユーロ) 2019年3Q 2018年3Q 前年比
プレミアム会員収入 1,561 1,210 29%
広告収入 170 142 20%
収益合計 1,731 1,352 28%

プレミアムプランの会員数と広告つき無料プランの会員数の数は、それほど大差ないのに収益は一桁違ってくるのは、やはりプランの収益性の違いでしょうか。やはり、「質の高いサービスを提供して、毎月定額を貰うプランにすれば儲かる」というサブスクリプションの魅力に、気づけたのはSpotifyの最大の発明です。

順調にユーザ数を伸ばすSpotify

というわけで、Spotifyを見ていく際には、1にも2にもプレミアム会員数が重要になります。なので、以下は2019年3Q決算の結果の再掲なのですが、3行目が圧倒的に大事になってきます。

  • 一株利益:-0.29ユーロ予想を上回る+0.36ユーロ
  • 収益:17.2億ユーロ予想をわずかに上回る17.3億ユーロ(前年比+28.9%)
  • プレミアム会員数:アナリスト予想1億1120万人を上回る1億1300万人(前年比+30%)

今期は、ファミリー向け・学生向けの割引プランのおかげで、プレミアム会員数が伸びたようです。

ユーザ数(100万人) 2019年3Q 2018年3Q 前年比
プレミアム会員数 113 87 30%
広告つき無料ユーザ数 141 109 29%
月間アクティブユーザ数 248 191 30%

また、注目のポッドキャストについては、アクティブユーザ数の14%がポッドキャストを聞いていて、視聴時間は(前年比ではなく)前四半期と比べて39%で伸びているようです。

ただし、ポッドキャストが目に見える形で収益に貢献するには、まだ時間がかかりそうです。長い目で見て、成長するかを見届けたいと思います。


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