音楽配信サービスのSpotifyは2019年4-6月期の決算を発表しました。
この企業の決算を見てみようと思ったのは、今年に入ってSpotifyがポッドキャストに力を入れ始めているからです。
以前、こちらの記事でも紹介しましたが、ポッドキャストはこれからちょっとしたブームになる可能性があり、spotifyの決算でどれだけポッドキャストがどれだけ数字に貢献しているか見てみたいと思ったからです。
ポッドキャスト版Youtuberも誕生。ポッドキャストを巡る新たな攻防。
結論から言うと、まだ決算書の売上項目にポッドキャストに特化した数字は出てきませんでした。四半期ごとに50%以上のユーザ数の成長率を見せているなどの情報はありましたが、まだ1つのサービスとして決算書に売上が載るまでの規模ではないようでした。
まだ少し早かったかも知れませんね。ただ、今後の決算でも成長を楽しみにすることにします。
しかし、せっかくspotifyの決算書も一通り読んだので、ここで2019年2QのSpotifyの決算内容をまとめておこうと思います。
- 売上:前年+31.5%成長の16.7億ユーロ。事前予想を0.3億ユーロ上回る。
- 一株あたり利益:-0.42ユーロの損失。事前予想を0.07ユーロを下回る。。
- 有料会員数:1.08億人。事前予想の1.086億人をわずかに下回る。
一株あたりの利益と、有料会員数の最も重要な箇所で予想を下回ったのが痛かったです。これが決算発表後の-4.5%の株価下落につながってしまったようです。
一株利益未達の原因は予想以上の開発費など
一株利益が下回ってしまったのは、spend across artist marketing, R&D, and G&Aによるものと説明がありました。
特に、R&Dについては、Spotifyは最近積極的に開発をやっていて、広告付きで軽量な無料音楽アプリSpotify Lite, ミュージックリストを豊富に取り揃えるspotify stationsアプリの開発をしてきたため、予想以上の出費が膨らんだ可能性があります。
Spotifyスライドで振り返る
Spotifyには月額利用料を支払う有料会員と、広告付きで無料で音楽アプリを使用する無料会員がいます。有料と無料をあわせた月間ユーザ数(Monthly Active User)は2.32億人、有料会員数は1.08億人でした。
ちなみに音楽配信サービスで業界2位のアップルの有料会員数は全世界で6000万人です。全世界ではSpotifyのほうが圧倒的に規模では勝っていますが、米国に限るとアップルのほうが有料会員数が多く、競争が激化しています。
※2019年2月時点で、米国のApple Musicの有料会員数は2,800万人、対するSpotifyは2,600万人でした。
月間ユーザ数(MAUs:黒線グラフ)と有料会員数(Subscribers:白線グラフ)の伸びを表しています。アナリスト予想こそ下回りましたが、有料会員数の伸びは30%前後で安定してることがわかります。悪くない数字だと思います。