毎日小難しい話ばかりでは疲れてしまうので、今日はかなり易しめな話題にしたいと思います。
最近ではさまざまなところで米国株は割高に見えるという話をしていますが、この割高感をデータを使って見ていきます。
この記事のポイント
- 現時点で米国株S&P500は割高に見える。予想PERは21倍でコロナ流行期で一時的に見られた水準にまで上昇している。
- 当然だが、PERが高い状態で買った株の長期的リターンは低い。
- 株を買うなら失業率が高い時に買うのが良いというデータもある。現時点の失業率は3.9%とかなり低水準なので、これも米国株を敬遠する一因となっている。
割高に見える米国株
このブログのタイトルには「米国株投資」とあるのに、現時点ではほとんど米国株についてポジティブな意見を持っていません。
簡単にいうと、今の米国株は高いなと思っているのです。
割高かどうかを見分ける最も簡単な方法は、PERという数字を使うことです。このPERは株価を一株利益で割って計算する値で、利益が大きくないのに株価がどんどん上がってしまうと、PERは高くなり割高と考えます。
次の図は10年間のPERをグラフ化したものですが、最近のPERは21倍まで上昇してコロナ流行時についでグラフは割高になっていることがわかります。
このPER21倍は危険というわけではありませんが、長期投資家が居心地の良さを感じることはない数字です。
次のグラフは過去約150年ほどの米国株のPERとそのPERで購入して10年間でどれだけ株価が上がったか(年率)を示したものです。
上のグラフは右下にトレンドラインを描いていることから、やはりPERが高い割高な時期に買うほど、購入してから10年の株価上昇率(年率)は低くなってしまうことがわかります。
このような状況ではあまり米国株は持ちたくないなという印象です。
失業率と株価の関係
さて、では株で比較的安全にリターンを得たいならどのような時期を狙うと良いのでしょうか。
端的に言うと、失業率が大きく上昇した後に株を買うとリターンが高くなることがわかっています。
失業率が高い時に買った株ほどリターンが良くなるのは、少し考えると当然のことです。
失業率が高いということは、景気後退などが起こっている時であり、そのような時期には株価は下がって安く買えることが多いからです。
現時点のアメリカの失業率を見ると、最近はわずかに上昇傾向ではあるものの、また4%を下回っていてかなり低水準だと言えます。
多くの投資家はアメリカの景気後退は信じていないか、景気後退が起こってもかなり軽いものですむと思っているので、今の失業率の上昇はたいした規模にはならないかもしれません。
しかし、どうせ今すでに米国株が割高なら、今は米国株から距離を置きつつ、この失業率の上昇がどこまで山を登るのか見届けても良い気がします。
多くの投資家が考えるよりも失業率が上がるような事態になれば、少しは米国株も割安になるだろうとも思います。