このブログでは、米国株に対して悲観的なことも多く書いていますが、それでも基本的にはまだ米国株には十分投資のチャンスがあると思って投資を続けています。
実際に私の保有資産を見ても、2020年後半からは現金比率を落として、株などのリスクの高いもので資産を埋め尽くしているのがその証拠です。
また、2021年も上半期が終わりましたが、米国株S&P500の成績(昨年末から+17%の上昇)を見ると、かなり好調だったことがわかります。
この記事では、2021年の上半期の米国株S&P500の好調ぷりを確認していきますが、この勢いは短期的に崩れることはあっても、2022年に入ってもしばらくは続くはずだと思っています。
この記事のポイント
- 記事を書いている時点(7月2日)で2021年の上昇率は17%を超える。上半期の成績としては、過去20年で2番目の高さだった。
- 企業利益が上昇していることもプラス要因だった。今後1年間の予想利益はまだ上昇を続ける予定なので、2021年末にS&P500は4550(今後半年で+5%上昇)も見えてくる。
- 今後で気になる要因は、インフレの高止まり。もしもこれがおこると、政策金利を上げて景気にブレーキをかけないといけなくなり、株価に悪影響が出る。
2004年以降、2番目の高いリターンを出したS&P500
2021年も多くの米国株の投資家はかなり順調だったはずです。
難しいことをしなくても、S&P500に投資していれば半年だけで+17%も資産が増えたからです。
この+17%は過去5年間では、コロナ前のアメリカが好景気だった2018年に次ぐリターンでした。
そして、2004年までS&P500の値動きを振り返っても、2021年の上半期のS&P500の成績は18年間で第2位の好成績でした。
2021年に急回復を続ける企業利益
2021年にここまで米国株が好調だった要因は、何だったのでしょうか。
この理由は、恐らく企業が利益を上げてちゃんと儲かったことだと思います。
2021年からS&P500に含まれる企業の利益の力強い成長が始まり、利益を予想以上にちゃんと積み上げたことで今後の利益見通しも次々と改善されました。
少し興味深いのは、S&P500の今後1年間の一株利益予想はまだまだ上昇を続けることです。
7月上旬の時点で、S&P500の今後1年間の一株利益予想は203ですが、2021年末には213まで上昇すると見られています。
つまり、2021年の下半期も特に何も無ければ、S&P500はさらに5%上昇する余地があると思われます。
今後で警戒するのはやはりインフレ率
順調に行っている時ほど、警戒をしたほうが良いので、これから先の米国株は何に気をつけたら良いのかを書いておきます。
一般的に、米国株の今後のリスクとしてよく言われているのは、これからアメリカで起こる金融緩和の縮小です。
たしかに、過去の歴史で何度も景気を冷ましてきた政策金利の引き上げ(利上げ)は、2023年にも始まると言われているので、利上げは米国株のリスクになると思います。
ただし、私は本当に気をつけるべきは利上げよりも、インフレ率の高止まりだとも思っています。
アメリカの中央銀行のFRBが自分の意思で利上げをしている分には、株価に大きな問題は起こりません。金利を引き上げ過ぎて景気が想像以上に冷え込んだと思ったら、再度金利を下げれば良いだけです。
このときには、2018年末に見られたような利上げの行き過ぎで一時的に20%程度、株価が下がることもありますが、やりすぎたと反省して上げすぎた金利を戻せばすみます。(実際にこれは2018年から2019年に起きました)
本当に困るは、高止まりするインフレを抑えるために、政策金利を上げざるを得ない状況になった時にやってきます。
この場合には、一時的に株価が犠牲になってもインフレを退治しないといけないので、利上げが続いて株価はかなり大きなダメージを負うはずです。
2021年時点でインフレは一時的との見方が優勢なので、まだそれほど心配していませんが、ひょっとすると今後大きな問題になるかも知れないという心配は常に頭のどこかにあります。