9月もまもなく終わろうとしていますが、今月のS&P500は少し調子を落としています。
今年の9月は「レイバーデー明けの株価の下落に警戒している」という声を多く聞いたので、以前に以下の記事で過去5年の米国株S&P500の値動きを見てみました。
レイバー・デー明けの米国株は下がりやすいのか過去5年分のデータを調べてみた。
アメリカでは9月の第1月曜日にレイバー・デーという祝日があります。そして今年はよく「レイバー・デー明けは相場の空気変わるから注意が必要」という声をききます。そこで、実際に米国株S&P500がレイバー・デーの前後で株価がどのように変化したかを調べてみました。
過去のデータを見てもレイバーデー明けだからといってS&P500が下落するという傾向は特に見れなかったのですが、それからしばらく時間がたって今年のデータもそろってきたので、結局2021年のレイバーデー明けはどんな成績だったのかを振り返ります。
この記事のポイント
- 9月のレイバー・デー明けの米国株は、あまり調子が良くなかった。過去5年間の値動きでは、もっとも最も悪かった2020年に次ぐ成績だった。
- しかし、レイバーデー明けの成績が悪かったからと言って、その後の成績も悪いわけではない。2020年や2016年は11月には復調している。
本題に入る前の注意点なのですが、今年の株の値動きが過去のある年と似ているからといって、その後も同じような株価の動きをするとは私は思っていません。
少なくとも私のブログのこの手の記事(季節性やアノマリーに関する記事)は単なるグラフや数字のお遊びだと思って、「ふ〜ん、そうなんだ。」くらいの軽いノリで見てもらえると助かります。
過去5年に比べると調子は悪かった2021年9月の米国株
冒頭でもお話したように、2021年9月の米国株はそれほど調子が良くなかったのです。
レイバーデー明けのS&P500の値動きを過去5年間のものと比較すると、去年の2020年につぐ、下から2番目の低調ぶりが続いています。
このブログではレイバーデー明けだからといって特別警戒する必要はないと言っていましたが、残念ながら今年の9月の米国株はやや調子が悪いようです。
それでも2021年のレイバーデー明けの下落はまだ2%程度なので、まだそれほど気にする必要はないと思っています。
9月調子が悪かった年でも近年は数ヶ月で復調が見られる
ちなみに、レイバーデー明けに調子が悪かった年はその後の10月11月も調子が悪いのでしょうか。
ためしに、2020年や2016年のS&P500の10月と11月の2ヶ月間の値動きをグラフにしてみたのですが、どちらの年も10月末までは調子が悪くても11月末には復調して下落分をちゃんと取り返しているようです。
だからと言って「2021年も10月まで軟調で11月から復調する」と結論づけるのは気が早いと思いますが、9月のレイバーデーの季節性で株価が下がったとしても、季節性という言葉どおりに下落はそれほど長続きしないようです。
リーマンショックがあった2008年9月との比較
以前の記事でも書いたように、そもそもレイバーデー明けの株価が心配されている背景には、「2008年リーマンショックや1929年世界恐慌などの大きな下落につながるような株価の変調がレイバーデー明けから始まっているから」という話を聞いたことがあります。
なので、2021年のS&P500の値動きとリーマンショックがあった2008年のS&P500の値動きを以下に比べてみました。
リーマンショックがあった2008年のレイバーデー前後の株価の動きは(黄色の線)は、さすがに今年のもの(赤線)よりもずっと下落が大きいです。
これから今年のグラフ(赤線)が2008年の値動きを追いかけるように下がる可能性も無くはないですが、今のところ両者は別物のように見えます。
さいごに
この記事では、今年2021年9月のレイバーデー前後の株の動きを過去のものと比較してみました。
そもそも過去の株の値動きが今後の株価を決めるわけではないので、過去の値動きを比べてもそれほど有益な発見は得られないはずですが、単純に面白いなと思ったので色々と比べてみました。