2022年末の米国株は安定感に欠く値動きが続いています。
私は米国株はまだ復調しないと思っているので、最近は米国株には手を出さずに波が静まるのを待っています。
その理由は「もしも景気後退が来るなら今のS&P500は一株利益の悪化がまだ小さく、これから一株利益も株価も下がるだろう」という感覚があります。
この記事では手短に、過去の景気後退と2022年の一株利益と株価の下落の規模を比べてみたいと思います。
この記事のポイント
- 2022年は株価が一時期28%下がったが、恐らく金利よる株価の下落。
- 一株利益の悪化はまだ本格的に始まっていない。一株利益がさらに悪化すれば、株価はまだ下がりうる。
28%下落した2022年の米国株
景気後退が起こると、たいていは企業の利益が悪化して株価が大きく下落します。
2022年の12月時点ではアメリカの景気後退はまだ始まっていないと私は思っているのですが、既に景気後退前に見られる株価下落は始まっているようです。
2022年1月にS&P500はピークをつけてから10月までに28%ほど下落しました。(12月現在はおよそ20%まで下落率を戻しています)
「28%」という下落率だけに注目すれば、小さめの景気後退に匹敵する下落率です。なので、「既に10月で株価は底を打った」という可能性もなくはないです。
ただ、私は恐らくまだ株価は底打ちしていないと見ています。その根拠となる話を少ししたいと思います。
米国株は一株利益も株価もまだ下がりうる
景気後退の前の株価の下落は通常2段階で起こります。
- (1)金利引き上げによる株価下落(逆金融相場)
- (2)景気悪化による業績悪化(逆業績相場)
2022年の場合は、(1)の金利上昇による株価下落がメインだったと考えています。過去の景気後退時と2022年で一株利益の下落率見てみると、2022年はまだ規模がかなり小さいことに気づきます。
※2022年のデータは2022年10-12月期のアナリストの一株利益予想を使用。
なので、まだS&P500の一株利益は下がる余地が十分にあると思っています。過去の景気後退の様子を見ると一株利益が下がれば株価も下がる傾向(下図)があります。
私は2023年もしばらくは一株利益が低下してS&P500も下落が続くのだろうと思っています。