ブログで1つの記事として取り上げるほどでもないけれど、少し気になっていることがいくつかあります。
ここではそれらを小ネタ集のような感じで集めてみました。
この記事のポイント
- 最近の米国株市場は、6月10日の消費者物価の結果発表を待っているかのように横ばい。ジャンク債は下落している点には注意。
- アメリカの長期金利は再び今年の最高値を超えるかどうかを試しているようにも見える。個人的には上昇余地は少ないと見ている。
- サル痘の感染が世界で広がっている。新型コロナのような株価急落はないと思われるが、感染が広がれば新たなインフレ要因にはなり得る。
6月10日の消費者物価の結果待ちの市場
6月10日に多くの投資家が注目しているアメリカの5月の消費者物価の発表があります。
そのイベントを前に先週から米国株は動きの少ない展開になっているように感じている人も多いと思います。5月27日から株価は横ばいが続いています。
ただ、現時点ではどちらかというとこれから下げる方向に行く可能性のほうがわずかに高いかも知れません。
昨日の記事で、ハイイールド債が下落すると米国株も下落する傾向があるという話をしましたが、ハイイールド債は5月27日からずっと価格を下げています。
ただ、(私も含めて)市場もFRBもアメリカの物価が今後どのような動きになるかを見通せている人は少ない印象で、賢い債券投資家と言えども間違った判断をしているかも知れないので、ひとまず消費者物価の結果を待ちたいと思います。
>>【関連記事】ほとんどの投資家も専門家もアメリカのインフレの行方を知らない
再び上昇しているアメリカの長期金利
つい先日、アメリカの長期金利はピークを打ったと言ったばかりなのですが、最近は再び上昇している兆しがあります。
以下が最近のアメリカの長期金利ですが、今年の最高値(3.13%)を再度うかがう展開になっています。
長期金利の上昇は債券投資家だけにとどまらず、株安や円安ドル高を通じて日本から米国株を買ってる投資家にも影響がでるので、再度最高値をつけるのかは注意してみたいと思います。
なお、これを書いている時点で、私はアメリカ長期金利の上昇余地は大きくないという意見をまだ変えていません。
アメリカの景気はこれから2023年にかけて減速に向かうので、そうなれば低成長時に強い国債が買われて、長期金利は下がる(少なくとも上がりにくくなる)と思います。
全然違う角度からの警戒
最後に全然違う角度から、最近気になっていることを書いておきます。
先月からサル痘と呼ばれる感染症の発症数が、世界各地が増えていることです。
「せっかく新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきたと思ったら、今後は別の感染症か」と思ってしまいそうですが、コロナ流行時のような急激な景気の低下や株価の急落を心配しているわけではありません。
新たな感染症が流行っても、もう全米や全世界でロックダウン(都市封鎖)はしないと思われます。また、そもそもサル痘の場合はまだ感染規模が小さく、またコロナのようなに倍々ゲームのような感染者の増え方になっていません。
上のグラフを見る限りはサル痘の増え方は直線的で、コロナのような急カーブを描いて上昇する姿はしていません。
ただ、万が一このまま世界中で感染が広まれば、コロナの流行時のように世界の工場の生産能力が落ちて(供給の制約が発生して)、インフレが長続きする要因にはなりえます。
まだ感染の規模を気にするレベルではありませんが、ウォッチはしておいて良いかも知れません。