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現金比率を高めている投資家と、私がそうしない理由。

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最近は世界的に有名な投資家から個人投資家まで、株への投資はほどほどにして現金を増やしているという人を多く見かけるようになりました。

恐らく、近々来るだろう下落に備えてのことだと思います。

まわりが警戒しているなかで、私は「まだ株に投資して良いはず」と強気な発言をしていますが、まったく何も警戒していないわけではありません。

>>【過去記事】まだしばらく投資先は株で良いと思っています。

では一体、いつごろの何については警戒しているのかを書いておきます。

この記事のポイント

  • 最近の多くの投資家が株の値下がりに警戒している様子が見られるが、警戒している理由は2種類ありそう。
  • その2種類は(1)9-10月は季節的に株価は低調だから、(2)米国株が割高でどこかで大きな下落を迎える恐れがあるから。
  • 個人的には(1)は一時的なもので気にしないと決めている、(2)は対策が必要だがまだその時期ではないと思っている。

備えている下落の種類

冒頭にも書いたように、現金の比率を高める米国株の投資家をよく見かけるようになりました。

その理由を見聞きすると、「9-10月は株が下落しやすいから」という1-2か月程度を見据えた短期的な理由と、「過去の何十年の米国株に比べて既に割高で、今後は大きな下落が起こりうる」という今後の1-2年の動きを警戒した中期的な見方の、2つの理由があることがわかります。

短期的な理由を言っているのは個人投資家、1-2年を見据えて言っているのは世界的な投資家やヘッジファンドの場合が多い気がしています。

  • (1)個人投資家が弱気な理由:9-10月は下落しやすく、実際に株が下がる展開が続いているから。
  • (2)世界的な投資家やヘッジファンドが弱気な理由:米国株は割高で、今後大きな下落が起こりうる(バブルと表現する人もいる)。

このうち、(1)については、私は多少の下落が起こっても気にないことにしています。

9月や10月の米国株の成績が他の月よりも悪いのはたしかです。

次のグラフは1927年から2020年までの米国株S&P500の成績を月ごとに集計したものですが、9月は他の月に比べて最も成績が悪く、10月も平均を下回っています。

しかし、私の場合はあまり投資のタイミングをはかるのが得意ではないので、1-2か月の一時的な動きに機敏に反応することを諦め、このような季節的な変化はやり過ごすことにしています。

一方で、警戒しているのは「(2)米国株は割高で、今後大きな下落が起こりうる」という中期的なシナリオのほうです。

割高な米国株への対応

季節性の株価の変動は気にしていませんが、米国株で割高なのはとてもとても警戒しています。

予想PERという割高の指標を見たときに、米国株は過去の10年に比べても高い状態にあるので、どこかで大きな下落が起こっても不思議ではないと思っています。

割高な状況が続く2021年の米国株

ただ、割高を測るための別の指標を見ると、米国株に大きな下落があるとしてもまだ少し先のようにも見えます。

以下のグラフは、米国株と米国債の割高度を比べたもので、米国株が割高なほどグラフが下に落ちて行きますが、2000年のITバブルや2008年の世界金融危機と比べると当時ほど割高ではありません。

2021年9月の米国株は国債に比べてそれほど割高ではない。

出典:MacroMicro

過去に大きな下落が起こった直前に見られたような対米国債で割高な状態になるには、「米国株が大きく上昇する」か「国債が大きく売られる」か、またはその両方が起こる必要がありますが、それにはしばらく時間がかかりそうです。

さいごに

投資家の中で現金の比率を高めている人の中にも、短期的な視線を持っている人と中長期的な目線を持っている人の2タイプがあることに気がついたので、この記事で扱ってみました。

私の場合は、季節性などの短期的な要因は気にしていませんが、割高に見える米国株はとても警戒しています。

ただし、割高な米国株の株価が崩れるとしても、今ではないとも思っています。

今はまだ楽観的ですが、この楽観は次第に悲観に変わっていくと思います。たとえば、2022年頃後半から2023年にかけてはもっと悲観的になっているはずです。


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