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大幅赤字を出したソフトバンクから考える、世界のマネーの向かう先。

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ソフトバンク、ベンチャー企業への投資で大幅赤字

出資したベンチャー企業we workの評価損で、ソフトバンクグループグループが赤字に転落したというニュースが紙面を賑わせています。

この決算の前にメディアはソフトバンクグループの危機を伝えていましたが、孫正義さんはソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資は評価益で大きくプラスになっていて、うまくいっている旨の発言をしていました。

私は普段からこの会社の決算を見ているわけでもなく、スタートアップ企業に投資するベンチャーキャピタル業界も経験がないので、ソフトバンクがどれほどのダメージを追っているのか分かりかねるのですが、投資していればこうした失敗もよくあるのではないでしょうか。

ソフトバンクもプロの投資家の集まりなので、たった数社傾いただけでソフトバンクグループが傾くような投資はしないはずです。ベンチャーキャピタルは成功率は低いもの、当たれば大きな世界なので、全体としてうまく行っていれば何の問題もないです。

(むしろ、私はソフトバンク・ビジョン・ファンドで評価益を出している投資先が多すぎるなと驚いたくらいです。)

世界のマネーはどこに向かっているのか

私が気にしているのはソフトバンクの経営悪化ではなく、ちょっと違う視点です。ソフトバンクのweworkへの投資のようにベンチャー企業に多額の投資をする例は、世界的に増えているのかという疑問です。世界のマネーが過剰な投資に向かっているのかどうか、が気になっています。

ソフトバンクグループの決算と同じ日に、世界的に有名な投資家のレイ・ダリオはこんな事を言っています。

ベンチャーキャピタル(VC)投資家が、既に十分な資金を持ちそれ以上の資金を求めないスタートアップ企業に資金を押しつけているケースもある。一方で投資家はこうした企業に、投資を受け入れないなら競合するスタートアップ企業に多大な支援を提供し打撃を与えると脅している。 (レイ・ダリオ)

出典:『過剰なフリーマネーで「世界は狂いシステムは壊れた』(ブルームバーグ)

ブルームバーグの記事の元になっているレイ・ダリオのリンクトインの記事も読みましたが、レイ・ダリオはwe workの名前は出さず、過剰な投資資金がスタートアップ企業に向かっていることを指摘しています。

低金利になってお金が流れる先は株式市場か

ソフトバンクグループの決算とレイ・ダリオの記事を見ながら気になったのは、「近年は世界的な低金利の状態なのに実体経済が上向いていないのは、世界のマネーが投資にばかりに流れているからではないか」という疑問です。

ソフトバンクグループの例は、集めた資金を過剰にベンチャー企業に投資してしまった例ですが、ベンチャー企業だけでなく、アメリカ株も今や歴代最高値を記録し、アメリカ国債も歴史的な低利回りになるまで買われています。

とはいえ、まだ米国株市場はそこまで割高な水準にはみえませんが、世界のお金がどこに流れているのか、過剰にアメリカ株やアメリカ国債に流れてきやしないかは気になります。

アメリカ株がもっとも多くを失うと見るガンドラック

債権王のガンドラック氏は、もしも次に景気後退が来たい場合には、今まで世界で一番順調に価格をあげてきたアメリカ株こそが、反動で最も値を下げると警告しています。

問題の景気後退がいつ来るのかは、私には全然読めていないのですが、アメリカ株が最高値を更新している中でも、やはり警戒心は解けない今日この頃です。


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