コンテンツへスキップ

ビジネスメール主流の時代は、あと7年で終わる。Slack CEOの予言。

  • by

ビジネスのメールはあと7年以内に終わる

2019年6月20日、ビジネスチャットツールのSlackを手がけるSlack Technologiesが上場をしました。

私はこのSlackにはちょっと注目しています。どんな株もIPO直後は期待先行で株価が高く設定されてしまうので、まだ投資はしないですが、時期を見計らって安くなったなと感じたら少額で買うかも知れません。

私がSlackに注目している理由ですが、ビジネスでの現場で使われるメールに変わって、主たるコミュニケーションのツールとして君臨できるかも知れないからです。

SlackのスチュワートCEOは上場を直前に控えたインタビューで、今後5年から7年ほどの間にビジネスメール主流の時代に終わりが来ると予言しています。

Slackはメールに変わるビジネスコミュニケーション・ツール

さてここでは、そもそもSlackとは何かについて触れたいと思います。

Slack公式サイト

Slackは、もっとも簡単に言えばチャットツールです。ただのチャットツールと違うのは、(1)掲示板のようにテーマ毎に会話を整理できる機能がついている点、(2)ファイルなども簡単に共有できる点、(3)チャットでは伝わりにくい内容はボタン一つで相手に接続して電話できる点です。

また、カレンダーやタスク管理などの他システムと連携できる機能が充実しているのも特徴です。

いろいろ言いましたが、要はSlack一つ開いておけば「仕事上の連絡やデータのやり取りは全部Slackにお任せ状態」にできる点が特長です。

テーマ管理機能

左側にはチャットのテーマ(チャネル)がリストアップされています。テーマ毎にチャットを整理でき、テーマを選択すれば時系列の会話のやり取りが表示されるので、話の展開がメールよりもわかりやすいです。

ファイル送信機能

また、チャットの最中にファイルを送ることもできます。

音声通信

そして、チャットだけでは伝わりにくい場合は、クリックひとつで相手に相手に電話することもできます。テレビ電話機能もありますが嫌がられる事が多いので、私は音声電話くらいしか使ったことはありません。

(昔、テレビ電話じゃないと嫌だというこだわりを持った謎な上司と仕事しましたが、それはそれは面倒でした。)

メールではなくSlackを使う良さをまとめると以下のようなものがあげられます。

  • メッセージ受信後に即、短い言葉で返信するので、コミュニケーションスピードが上がる。
  • 情報がテーマ毎に時系列で整理されるため、現状把握がしやすい。時短できる。
  • (Slackをうまく運用していれば)仕事で必要なデータの引き継ぎはSlackの掲示板への招待だけで完結。

Slackがメールを超えるまでに7年かかる理由

メールに比べて利点の多いSlackですが、Slack CEOの予言ではメール主流文化を変えるにはまだあと7年もかかります。その理由は、メール文化が浸透しすぎたことにあると思います。

会社で若手からベテランまで幅広い年齢層と一緒に仕事するとわかるのですが、Slackに対して示す反応が年代によって大きく違います。

Slackを気軽に受け入れる若手

上のようなSlackの説明をしたときに、20代・30代の人は「ふーん。それくらいできて当たり前じゃん」という反応が帰ってきます。この年代はMessanger、Skype、LINEなどのチャットツールに親しんで育ってきているので、Slackの機能も何も抵抗なく使いこなしている印象があります。

むしろ、最近の新入社員と話をしていると「会社では未だにメールを使っていると知って、びっくりした」と言われたこともあります。

そうですよね、ちゃんとしたメールを書こうと思うと1通30分かかることもありますし、書く時間だけでなく読む時間、さらに後になって大量の過去のメールから目的の1つを探す時間を考えたら、メールをほど非効率なものはないです。

ビジネスの場面で使われるコミュニケーション・ツールとして、メールはあまりに浸透しすぎました。Slackは決して新しいツールではあリませんが、それでもSlackがメールに取って代わるまで、まだあと7年もかかるというのはメール文化が根強いことの裏返しでもあります。

メール文化に深く染まるベテラン

一方で、あくまでも私がいた会社の話ですが、チームの中の40代、50代の方に実際にSlackを使ってもらうのにかなり苦労したことがあります。

複数人のチームでSlackで会話のやり取りしているのに、そもそもSlackを見ていなかったり、「見てもらいたい投稿があるなら、Slackの書き込みを見ろとメールをよこせ」とよく言われました。

そう言われるたびに、昔FAXやメールが普及し始めた頃も同じことが繰り返されていたんだろうなと思いを馳せました。

「今、FAXをしたんですが、届きましたか?」とか、「今、メールを送りました」という電話ほど非効率で悲しいものはありません。新しいコミュニケーションツールが市民権を得るまでは、いつも非効率が発生するのかなと考えてしまいます。

40代、50代の方で気を悪くされたら、すみません。あくまで私の周りにいた40代、50代社員の話です。ただ、長年親しんだメールから脱却するのは簡単ではないように見えます。感覚的には7年経っても、まだメールがまだ根強く残っている可能性のほうが大きいと思います。

主流のビジネスコミュニケーション・ツールを提供した会社が大きくなった歴史

ビジネスのコミュニケーションツールは、郵便、電話やFax、メール、チャットへと変化しています。もちろん、メールが普及したからといって郵便や電話が完全になくなるわけではないように、Slackが普及しても一定のメールの利用は残り続けます。その点は、SlackのスチュワートCEOも認めています。

しかし、郵便を手がけた郵便事業会社、電話を提供したAT&TやNTT、メールを便利に使うためのWindowsを提供したMicrosoftなど、時代ごとにビジネスツールを提供した会社は、それなりに大きな規模に成長してきました。

チャットツールのSlackはまだまだインパクトとしては、電話やメールに遥かに劣りますが、可能性は感じます。

Slack、今後もちょっと注目です。


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。


タグ: