かなり前になりますが、スターバックスが決算を発表しているので、久々にこの記事で取り上げたいと思います。
新型コロナウイルスが世界で流行した影響で、2020年のスターバックスの業績はかなり落ち込んで苦しかったですが、2021年1-3月期はコロナ後で初めて売上も利益もプラス成長に戻ったようです。
もともとこの企業は高いブランド力があり、長期的な保有にも向いていると思います。
今後のスターバックスの復調を信じで株は高値で取引されているので、今はまだ購入しませんが、これからこの銘柄ももう少し頻繁にウォッチしていきたいと思います。
この記事のポイント
- スターバックスの2021年1-3月期は、売上こそ予想を下回ったが、一株利益は予想を超え、1年ぶりに売上・利益ともに前年比プラス成長に転じた。
- プラス成長に転じた要因は、前年大きく落ち込んだ中国の売上が回復したため。4-6月期も前年の米国売上が低迷していたので、大きなプラス成長が期待できる。
- しかし、現時点のスターバックス株は業績回復を既に完全に織り込んだ株価がついている。ブランド力が高い良い企業でも、今は買わなくて良さそう。
1年ぶりに売上・利益ともにプラス成長に
2021年1-3月期は売上は予想に届きませんでしたが、一株利益は予想を上回る業績でした。
- 売上:予想68億ドルに対して、67億ドル(予想下回る、前年比+11%)
- 一株利益:予想0.53ドルに対して、0.62ドル(予想超え、前年比+93%)
単位B:10億 | 2Q21 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $6.7B | +11% |
営業利益 | $0.9B | +103% |
一株利益 | $0.62 | +93% |
前年の1-3月は中国で新型コロナウイルスが流行して売上が不調だったこともあり、前年比では売上も一株利益も今期からともにプラス成長に転じています。
前年は大きな落ち込みを見せていましたが、ようやくハッキリと復調している様子が見えてきました。
既存店舗売上にも復調のサイン
大手のレストランチェーンでは既存店舗の売上成長率を見て、好調不調を判断することも多いですが、今期のスターバックスは既存店舗の業績からも復調が見られます。
前期は前年比マイナス5%でしたが、今期からプラスに転じています。
以下、地域別に既存店舗の売上成長率を見てみると、中国の既存店売上+91%につい目を奪われてしまいますが、これは前年がコロナの影響でマイナス50%と沈んでいたためです。
中国ほど大きな影響を受けなかった米国内の売上を見てみると、前年マイナス3%成長に対して、今期は+9%とまずまずの成績を残しています。
前回の決算でも米国既存店は+6%、今期は+9%という数字を見ていると、スターバックスにとって一番な規模が大きく重要な米国市場では新型コロナウイルスの悪影響を乗り越えたと言って良さそうです。
また、次回2021年4-6月期の決算ではアメリカは景気が良いことに加えて、前年同期の業績がかなり悪かったので、大きな成長率が期待できそうです。
高い成長率は株価に既に反映済み
復調のサインがいくつも見られた上に、次の4-6月期はアメリカの好調が予想されて、好業績が期待できそうなスターバックスですが、投資家は既にこの好業績を株価にかなり反映させているようで、スターバックス株は高値で買われています。
次の表はスターバックスのアナリスト予想ですが、予想PER(割高度を測るデータ)はかなり高い数字が並んでいます。
私は、スターバックスはブランド力がある企業だと思って魅力的に感じています。このブランド力のために、人々が感じているコーヒーの味(品質)以上に高い値段を設定しても、ちゃんと売れて高い利益が出せるビジネスをしている点は好印象です。
なので、スターバックスは長期的に投資できる銘柄だと思っていますが、株価は高値がついてるように見えるので、まだ購入をせずに様子を見ようと思っています。
※ちなみに、ブランド力は他の企業との競争を打ち勝つために必要な要素で、経済的な濠とも言われるものです。経済的な濠がある企業の株は、一般的に長期投資に向いていると言われています。
経済的な濠とは何か。【バフェットも注目する投資の原則を解説】
バフェットも注目している「経済的な濠」とは何でしょうか。このブログの記事でも「経済的な濠」という単語は度々登場しており既に知っている方多いと思いますが、ここで改めてご紹介します。
新型コロナの不調を脱している傾向は引き続き確認できたので、株価と割高度を定期的にチェックしながら好機を待ちたいと思います。