安定した市場環境と今後のリスク要因

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アメリカではデモ活動が活発化したり米中が対立しているようですが、金融市場は極めて平和です。

市場を見ながら投資する投資家にとっては、何もやることがないくらい平穏な日々を過ごしています。毎晩のんびりと株が上昇するのを眺めるだけの日々で、2020年3月に大荒れだった市場が嘘のようです。

この記事では市場環境が落ち着いている現状を確認し、現時点で何がリスクになるかついて書いていきます。

金融市場以外のリスクは米中の対立、デモ激化、ウイルス再流行など上げたらキリがない上に視点もボケるので、市場だけに絞って考えます。

この記事のポイント

  • 金利は低位で安定して株価にプラスに働いている。インフレの上昇気配も見られずむしろ低すぎるくらいで、一時期心配された社債市場の混乱も落ち着いた。
  • リスク要因はFRBと米政府の大規模な景気刺激策の悪影響として、株バブルや金利上昇が起こること。だが、その兆候はまだない。
  • リスク要因の発生をいち早く知るためには、10年国債利回りではなく、変化の大きい30年国債利回りをみるのはアイディアかも知れない。

この記事で、いちばん重要な点は今後のリスク要因です。忙しい人のために、先にリスクの中身について触れておくと、今効力を発揮しているFRBと米政府の景気刺激策が逆効果を発揮し始めたときが、危ういと思っています。

リスク要因

  • FRBが国債を買い続ければ、投資家は低リターンな国債から株に資金が移り、景気回復時に株がバブルになる恐れがある。また、市場に流通する国債が少なくなれば、金利が変動しやすくなる。
  • FRBが社債を買い続ければ、本来潰れてしかるべき非効率な企業が存続し続けて、長期間の低成長率に悩まされる。
  • 米政府が景気刺激策の予算を確保するために国債を増発し続ければ、いずれインフレと金利上昇を招く。

ただし、こうしたリスク要因はまだ全くと言っていいほど、姿を現していません。

金利は低位で安定


経済成長率が高ければ高いほど、金利が低ければ低いほど株価は上昇します。

今のアメリカは経済がボロボロの状態なので、最近の株価の上昇は低い金利などを理由に、株式市場にマネーが流れているようです。

2020年6月初旬時点のアメリカの金利(10年国債金利)を見てみると、4月以降はかなり低位で安定しています。


※詳細なグラフはこちら

4-6月にアメリカ国債は凄まじい量が発行されていて、本来ならば大量に売れ行きが悪くって金利が上昇するはずなのですが、FRBが大量に国債を買い取って、金利を低い状態に維持しているのでしょう。

今のところ、株価に優しい低金利の状態が続いています。

インフレ率が上昇する気配はない


インフレ率が上昇したら金利も上昇する可能性がありますが、現時点ではインフレ率もかなり低い水準で安定しています。

市場が予想するインフレ率(10年国債利回りブレークイーブンインフレ率)を見ても、1%をわずかに上回る程度で低い状態です。


※詳細はグラフはこちら

社債市場も落ち着きを取り戻している


2020年には、近年増えすぎたアメリカ企業の社債が一気に売られる社債バブルも起こる恐れがあると思っていました。

しかし、2020年3月にFRBが社債も買い取ることを表明してからは、社債市場はかなり落ち着いています。

社債が売り込まれると上昇するイールドスプレッドも3月をピークに落ち着きを見せています。


※詳細なグラフはこちら

今後の市場のリスク要因


ここまで見てきたように今の金融市場は、FRBのおかげでかなり安定していると言えます。

では、今後もリスクなく安定が続くかというと、まさに今の市場に安定感を与えているFRBと米政府の景気刺激策の悪影響が顔をのぞかせ始めると、安定が脅かされると思っています。

リスク要因(再掲)

  • FRBが国債を買い続ければ、投資家は低リターンな国債から株に資金が移り、株がバブルになる。または、市場に流通する国債が少なくなり、金利が変動しやすくなる。
  • FRBが社債を買い続ければ、本来潰れてしかるべき非効率な企業が存続し続けて、長期間の低成長率に悩まされる。
  • 米政府が景気刺激策の予算を確保するために国債を増発し続ければ、いずれインフレと金利上昇を招く。

ただし、こうしたリスク要因はまだ全くと言っていいほど、姿を現していません。

かなり慎重に見た時に、アメリカの30年国債利回りの超長期金利がわずかに上昇しているように見える程度です。


※詳細なグラフはこちら

債権投資家のジェフリー・ガンドラックはいざ30年国債利回りが上昇し始めたら、FRBでも金利上昇を抑えることは難しいと発言しています。

金利上昇の予兆をいち早く感じとるために10年国債利回りではなく、値動きの激しい30年国債利回りをチェックするのはいいアイディアかも知れません。

今後は30年国債利回りも確認して、不穏な兆候があるかを定期的に点検したいと思います。


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