10月からの米中協議再開を前に、今までの経緯をおさらい。

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協議再開

米中貿易協議が再開されます。

10月7日からは次官級の協議が開始され、さらには10月10日からはムニューシン財務長官やライトハイザー通商代表、劉鶴・中国副首相らが参加する閣僚級の交渉が始まります。

ムニューシンに、ライトハイザー。一時期は毎日のようにこの人達の活躍をニュースで目にしていましたが、この2名の名前が並ぶのはたいぶ懐かしい感じがしますね。

向こうは私のことなど露知らずでしょうが、こちらはしばらく名前を耳にしない日が続いたせいか妙な親近感がわきます。それだけ閣僚級協議の再開までに間が空いたということでしょう。

久々なので貿易交渉が再開される前に、これまでの米中貿易協議の流れを整理しておきたいと思います。

米中貿易戦争を振り返るを一旦振り返る

当初は「貿易協議」という言葉だけ使われていましたが、「貿易戦争」という言葉に移行したのは、2018年7月の貿易交渉の行き詰まりからアメリカが発動した追加関税と、それに即座に中国も応戦した報復関税の役割が大きいです。

はじめての制裁関税から1年以上だった2019年10月現在、度重なる制裁関税の発動と税率引き上げにより、その規模もだいぶ大きくなりました。当初は同じ規模の関税を課していましたが、中国からアメリカへの輸入量が多い背景もあり、最近はアメリカが発動させる関税のほうが、中国が発動させるものよりもだいぶ規模が大きくなりつつあります。

関税の税率は2019年12月までに発動予定のものを含めると、以下のものがあります。

単位:ドル 米国 中国
第1弾 340億(25%)
(10/15から30%)
340億(25%)
第2弾 160億(25%)
(10/15から30%)
160億(25%)
第3弾 2000億(25%)
(10/15から30%)
600億(10-25%)
第4弾(9/1と12/15) 9/1開始分:1250億(15%)
12/15開始分:1750億(15%)
750億(5-10%)

米中貿易協議の争点

さて、米中貿易協議がここまで長期的にこじれてしまった争点を洗い出しておきたいと思います。一番の争点はアメリカが不平等と感じている、中国のビジネス環境の改善があります。

アメリカ企業が中国で自由な活動ができていないとして、トランプ大統領が指摘しているのは「アメリカ企業が中国市場に自由に参入できない点」、「中国企業が手厚い政府の補助を受けている点」、「中国政府が為替操作を実施している点」、「アメリカ企業の知的財産が中国企業に不当に開示させられている点」などがあります。

こうしたアメリカが要求している不平等な中国での通商環境を解消するのは、途方も無い作業だという見方が大半です。

実は2019年5月までは合意間近かと言われていましたが、中国が白紙撤回してきたため、貿易戦争が加熱した経緯もあります。中国としても、譲れないものがあるのでしょう。

アメリカ側としては、10月の段階でこれらを全て合意に持っていくのは難しいとしても、5月の合意間近の段階までに会話を巻き戻したいところだと思います。

10月貿易協議での部分的な合意はない見通し

ちなみに10月に完全な関税な合意は難しくても、部分的な合意だけでも結ぶという選択しても出てきそうなものですが、10月米中協議再開の前の国連演説で話をしたトランプ大統領はこの部分合意の可能性を排除しています。

参考:トランプ大統領、国連演説で中国との対等な通商を望むと再度主張。10月の部分的な合意の可能性薄れる。

部分的な合意だけ結んで中国に仕掛けていた関税の圧力が緩和してしまったら、また議論が進まない状態に戻り、結局いつまで経っても合意に至らなくなることを危惧している可能性はあります。

関税が効力を発揮しているのか中国側が次々とアメリカの農産物を買って譲歩を見せてきたりしている2019年10月の今が、交渉の最適なタイミングだとトランプ大統領は見ているようです。

米中、通商合意に向け「絶好の機会」=トランプ米大統領(ロイター)

投資行動は変わらずに静観

以上、最近の米中協議の動向を振り返ってきましたが、一言で言うと相変わらず先が見えない状況と言えます。

こういう先が見通しにくい環境では投資はやや難しくなってしまいますが、私の基本スタンスとしては、米中の貿易協議がどんな展開に終わっても、基本的に米中協議の結果をみて今の資産・銘柄を変更するつもりはありません。

予想しても当たらないだろうし、交渉結果が悪ければ一時的に株価は落ちるかもしれませんが、私はアメリカの景気後退はまだまだ少なくとも1年は来ないと思っているので、10月に株価を下げても大した下落にならないと思っています。

2020年夏に米景気後退か。ニューヨーク連銀の予測モデルが警告。

なので、全く気にせず静観するつもりです。