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1月に強かったアメリカの消費は一時的【2月小売売上高】

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ニューヨーク市場は銀行株の話でもちきりですが、そうした間も予定通りいくつか経済指標が発表されました。

ここでは少し前になりますが、3月15日(水)に発表された小売売上高を確認していきます。

今回発表された数字はあまり良くなかったです。前回は小売売上で消費の強さと同時にインフレ再燃の懸念がチラつきましたが、その心配はしなくて良さそうです。

この記事のポイント

  • 2月のアメリカの小売売上高は予想を下回る前月比マイナス0.4%だった。
  • 1月の消費の強さは恐らく一時的なものだった。まだ消費の鈍化傾向は続いている上、過去1年間の売上高の伸びは全てインフレによるものなので実質で成長していない。

予想を下回った小売売上

アメリカのGDPは大半が個人消費で支えられています。

毎月の個人消費の発表は少し時期が遅いので、先に発表される小売売上でいち早く消費の強さを確認する投資家が多いと思います。

そんな小売売上高の2月の結果ですが、今回は予想を下回る弱いものになりました。

  • 予想:前月比:プラス0.2%
  • 結果:前月比:マイナス0.4%(前回は同プラス3.2%)

上記の結果は、2月なのでもちろん昨今の銀行の混乱の影響は何も入っていません。(そもそも実体経済に影響が及ぶまでには長い時間がかかるので、数ヶ月経っても消費への影響は限定的だと思います。)

また、小売売上高の前年比を確認してみると、やはり緩やかに消費の伸びは鈍化しているようです。

1月の消費がとても強かったことで消費拡大によるインフレ再燃が心配されたことがありましたが、2月のデータを見る限り消費拡大は一時的でインフレ再燃はまだ心配するほどではなさそうです。

インフレを除くと前年比マイナス成長の小売売上

先程のグラフで2月の小売売上高の前年比+5.4%という数字を載せましたが、「この数字はかなり大きいのではないか」という指摘はあると思います。

たしかに「前年比+5.4%」と言えば、コロナ前に好景気だった2017年末から2018年前半で度々見られたような数字です。

2017年当時から既に投資をしていた人は「その頃と同程度なら景気はかなり良い」と思われるかも知れませんが、当時と違って今はインフレが起こっています。

そこで、この5.4%の売上成長のうちインフレによる上昇分を差し引いて見ると、現在は前年比で売上高がマイナス成長に陥っていることがわかります。

アメリカの小売売上高は実質でみると(インフレの影響を除くと)成長していないようです。

まとめ

1月に強かった小売売上を受けて、2月も消費の好調が続いているかを見ていきました。

しかし、1月の好調は低迷した12月の反動で強かっただけで、上昇トレンドに転じたわけではなさそうです。全体的には消費の低下傾向は続いており、インフレ再燃を心配する要素はまだないと思います。

加えて、この1年間の売上高が上昇した要因はインフレであることも踏まえると、アメリカの消費は今すでにそれほど強くないし、消費が弱まる傾向もまだ続いていると思っています。


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