金の価格が上がる理由【本質はインフレ率と金利です】

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金(ゴールド)の投資を検討しようとして、まず悩む疑問があります。

「どんな局面で、金が上がりするのかいまいちわからない」という問題です。

株や国債と違って金は配当や利子がつかないので、投資で儲かるためには「安く買って高く売る」必要があります。でも、金が上がる要因がわからないと、なかなか投資に踏み切れません。

この記事では、どんな場面で金が上がるのかを整理していきます。

この記事のポイント

  • 金の価格が上がるのは「高インフレか低金利でドルが下がる局面」か「市場の不安材料(リスク)が発生した場合」
  • 金の価格に与える影響が特に大きいのはインフレ率と金利。高インフレか低金利になると金は上昇する。

金が上がる理由

金に投資するときに一番やっかいな問題は「金ってどんなときに価格が上昇するの?」というものです。

とても基本的なことなので、金や国債に投資している人なら、比較的すっと答えられます。

でも、株・不動産・FXなど他の資産しか経験がないと、何年投資している人でも意外に悩んだりします。企業が儲けたら価格が上がる株に比べると、金の価格が上がる理由はすこし複雑だからです。

また、金があがる理由を5個も10個も解説する人もいますが、そんなに価格上昇の要因が多いと本質を捉えているとは言い難いです。

私も実際に金に投資してから学んだのですが、投資する上で覚えておきたい金が上がるシナリオは次の2つだけで

  • 【シナリオ1】:ドルが下がる局面(高インフレと低金利)では、金が上がる。
  • 【シナリオ2】:市場の不安材料(リスク)が発生したら、金が上がる。

高インフレと低金利の局面(シナリオ1)

よく言われることですが、インフレが激しいと金の価格があがります。その仕組みはこうです。

  • インフレは通貨の価値が減って、より多くのお金を払わないと同じモノが買えなくなること。
  • インフレが起こると、同じ量の金でもより多くのお金を払わないといけなくなる(金の価格が上がる)。

また、低金利になったとしても、同じ通貨でもらえる利子が小さくなるので、通貨の価値は下がります。なので、低金利でもインフレのときと同様に、通貨の価値が減って金の価格が上がります。

【ちょっと上級者向け】実質金利と金の価格の関係

(ここの章は、詳しく金の価格を知りたい人向けになっています。難しいなと感じたら、次の章に飛ばして構いません)

ちなみに、実質金利という言葉を理解できれば、金の価格があがる理由をもっとスッキリ理解できます。

実質金利は、金利(名目金利)からインフレ率を引いた値のことです。

実質金利 = 名目金利(10年国債利回りのこと) - 予想インフレ率

金が高くなるのは金利が低くなってインフレ率が高くなる場合ですが、これは実質金利が下がることと同じです。

実際に、実質金利と金の価格を見てみると見事に、実質金利が下がると金の価格が大きくなっていることがわかります。

実質金利(紫)が下がれば金の価格が上がる

以下のリンクをクリックすれば、上記グラフのデータを取得できます。
FRED

FREDというサイトはアメリカ中央銀行が無料データで提供しているものです。とても便利なので、使い方の解説も載せておきます。
>>経済指標から金利まで、あらゆるデータをグラフ化するFREDの使い方。

市場の不安材料が発生する局面(シナリオ2)

もう一つ、金の価格が変動するシナリオは、市場にリスクがある場合です。

市場にリスクがあるとは、極端な例では恐慌や戦争が起こる場合のような大きな変化がある環境のことを言います。

昔から何か社会に異変が起こった時(有事の時)によく聞かれるもののなかに、「有事の金」という言葉があります。

「何かリスクが有るときに価格が上がる、金を買うべし」という格言通り、有事には金の価格が上がりやすいと言われています。

リスク要因が金に与える影響は限定的

リスクがあると金が上がるのはおそらく間違いないのですが、その影響は比較的短期間か、もしくは影響度が小さいと個人的には思っています。

その証拠に、金利からインフレ率を引き算した数字(実質金利)金の関係をグラフで見てみると、金の価格としっかり連動しているのがわかります。

(先程、上で見たグラフと同じものです)

金利からインフレ率を引き算した実質金利(紫)が下がれば金の価格が上がる

有事だったはずのリーマンショック中でも金利とインフレ率だけでここまで金の動きを説明できるなら、リスク要因は金の価格には大きな影響を与えない可能性があります。

まとめ

ここまで、どんな場面で金の価格が上昇するのかを見てきました。

金の価格が上がるのは次の2通りのシナリオです。

  • ドル安になるような高インフレ・低金利の場合(名目金利からインフレ率を引いた実質金利が低くなる場合と理解してもOK)
  • 市場にリスクが大きくなった場合

この2つのシナリオの中には、「インフレ率」「金利」「リスク」の3つが金の価格を変える要因になっていますが、

2000年代以降の金の価格は高インフレ・低金利の2つ(もしくは実質金利1つ)で説明できるので、「インフレ率」と「金利」が特に、金の価格に大きな影響を与えているようです。


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