レイ・ダリオは、世界最大規模のヘッジファンド(資産投資会社)のブリッジ・ウォーター社を率いる投資家です。
アメリカの投資家と言って思い浮かぶのは、やっぱりウォーレン・バフェットでしょう。でも、運用している資産額や影響力ならレイ・ダリオも負けていません。
「レイ・ダリオって誰ですか」という人から、「なんでこの人に注目するの?」という人もいると思いますので、投資家としてこの人から何が学べるかをこの記事でまとめます。
記事のポイント
- リーマン・ショックを回避したレイ・ダリオから、とてもシンプルな経済の仕組みが学べる
- 株・債権・金・商品などのあらゆる資産に精通する投資のプロから、時代にあわせた資産運用を学べる
リーマンショックを回避した、とてもシンプルな経済の仕組みの理解
レイ・ダリオの特長の一つは、難しいことでもシンプルな言葉で説明できることです。
経済の仕組みでも本質を見抜いてシンプルな原則を見つけ出すことができるため、レイ・ダリオが毎日書いている経済レポートはあらゆる政治・経済界のトップが読んでいると言われています。
レイ・ダリオはサブプライム・リーマンショックの危機をうまく回避したことで有名ですが、「経済の仕組みの理解は、サブプライムローン・リーマン・ショックの危機を回避するのに役立った」と話しています。
その経済の仕組みをYoutubeでわかりやすく、しかも日本語で解説してくれているので、ここで紹介します。
30分でわかる経済の仕組みのポイント
30分の中にたくさんの経済の重要なポイントが入っています。全て解説すると2-3記事分の分量になるので、ポイントだけまとめます。
- 経済はたくさんの取引を繰り返して、長期的に緩やかな右肩上がりに成長する。
- 借金をすることで経済成長を早められる。ただし、収入以上に借金を増やすと、返せなくなって不況になる。
- 借金が返せなくなる時期は10年ごとにやってくる。10年ごとに小さな景気の波を繰り返すので、不況も10年に1度の頻度で来る
- 積もり積もった借金の山が返せなくなる、100年ごとの長期的な景気の波も周期も存在する。
- 100年周期の景気の谷は1929年の世界恐慌に来ていた。2007年は1929年と似ていたことから、リーマンショックが予想できた。
学ぶべき点
学ぶべき点はたくさんあると思いますが、私は学んだ点は以下です。
- 経済は緩やかに右肩上がりに成長するなら、経済成長と一緒に価格を上げる株が長期的に有力な投資先
- 10年単位の景気サイクルが読めるなら、景気の下落前に株以外の資産(国債・金・現金など)を増やせば、不況で落ち込んだ株価を安く買える。
- 100年ごとに景気のサイクルがあるなら、株が低迷する時代に国債・金・商品のどの資産を買えばリターンが大きくなりそうか、繰り返される歴史から予想することができる。
3点目については、少くとも100年間のアメリカの経済史と、時代ごとの資産のリターンを知っている必要があります。
個人でこれを調べるのは大変ですが、あらゆる資産に精通しているレイ・ダリオはレポートでちゃんと、この時代ごとの資産リターンを分析して投資家に提供しています。
あらゆる資産に精通する投資のプロから時代にあった資産を学ぶ
ウォーレン・バフェットは株の専門家ですが、レイ・ダリオは株・債権・金・商品などのあらゆる資産に精通しています。
ウォーレン・バフェットが1つの1つの企業を徹底的に研究して個別の企業に投資する「顕微鏡を覗くタイプの投資家」だとしたら、レイ・ダリオは世の中の経済を読み解いて最適な投資を選択する「世界地図を作るタイプの投資家」です。
そのレイ・ダリオが1920年代から2010年代までのアメリカの経済史と、資産ごとのリターンをまとめてた成果がこちらです。
はい、残念ながら膨大な英語の文章です。
ただでさえ英語の長文は大変なのに、アメリカの経済史とはなんとも骨が折れそうです。これではさすがに大変なので、上記のレイ・ダリオの記事を踏まえたアメリカ経済史と資産リターンをまとめておきました。
【投資家向け】アメリカの経済史と資産のリターンを年代別に振り返る
歴史は繰り返すとよく言います。この記事では1920年代からのアメリカの経済史を振り返りながら、各時代で株・国債・金・商品のどの資産を持てばリターンを上げることが出来たのか数字を見ながら振り返ります。
私の記事は、上記のサイトに加えてレイ・ダリオの著書「プリンシプルズ」から得た内容も入れています。
私は本を買うまでに、この本をまずkindleの試し読みをしました。試し読みだけでも、レイ・ダリオが見てきたアメリカ経済のまとめが読めるので、まずは試し読みから始めるのも良いと思います。
分量は多いですが、繰り返し読む価値のある本の一つです。
まとめ
日本では、アメリカの有名な投資家としてウォーレン・バフェットの名前が上がって、たくさんの本が読まれて研究されています。でも、バフェットと同じように有名で、しかも有益な情報をかなり高頻度で提供しているレイ・ダリオも知っておいて損はないと思います。
レイ・ダリオがやっているのは、本質が何かを考え、歴史が繰り返されるならこれから何が起こるかという予想と、予想に基づいた投資です。一般人の私達が同じことをやろうとしても、最初は足元にも及ばない精度でしか見渡せないでしょうが、レイ・ダリオも最初から出来ていたわけではないはずです。
投資は一生もののスキルなら、経済を見渡す力をレイ・ダリオを手本に一生かけて磨いていくのも悪い話ではないはずです。