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まちまちな4月のアメリカ企業の景況感

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4月のアメリカの経済指標がいくつか発表され始めていますが、この数字をどう読んだらいいのか少し悩みます。

以前、ニューヨーク連銀が発表した製造業の景気指数が4月に予想以上に大きく上昇したことを書きました。

また、4月のアメリカの景況感指数についてフィラデルフィア連銀とS&Pグローバルからもデータが発表されましたが、結果は良いものも悪いものも混在している感じです。

この記事のポイント

  • 4月のアメリカの景況感はとても良い結果のものと、悪い結果のものが混在している。
  • 4月に景気が回復したとしても、景気が減速する中での一時的な復調だろうとは思っている。引き続き経過観察をする。

4月の復調を示すデータ

ニューヨーク連銀が発表した製造業の景況指数は予想を大きく上回って良い結果が出ていました。

>>4月のアメリカ経済は意外にも好調かも知れないが、楽観できない。

4月のニューヨーク連銀製造業指数は久々のプラスで、4月は3月よりも景気が拡大したという結果になりました。

そして、これに続いたのがS&Pグローバルの発表です。昨日発表されたアメリカPMI総合指数(製造業とサービス業をあわせた結果)では、予想も前回の結果も上回る数字を残しています。

  • 予想:51.1
  • 結果:53.5(前回:52.3)

これを見る限りは、4月は3月よりも景気が盛り返したように見えます。

4月の低迷を示すデータ

一方で、フィラデルフィア連銀が発表した4月の景気指数はひどく悪かったです。

予想を大きく下回り、前回よりも数字は悪化しています。

  • 予想:-19.6
  • 結果:-31.3(前回:-23.2)

結果はマイナス圏なので、製造業は景気後退していることになります。これはニューヨーク連銀の結果やS&Pグローバルの結果とも異なります。

経済指標の読み方

これらの結果を受けて、4月のアメリカの景気をどう考えたら良いのでしょうか。こうも結果がマチマチだと、少し困ってしまいます。

まだハッキリしたことはわからないので、企業の景況指数は引き続き経過観察になりそうです。

2022年から続いてきた景況感の低下が底打ちした気はしないので、たぶん4月は一時的な復調だと思います。ただ、来月も強い数字が出れば少し考え直す必要があるかも知れません。

そもそも、今私は経済指標で確認しているのは「アメリカの景気後退がどれだけ近づいているのか」です。

FRBは2023年後半、カンファレンスボードは2023年半ばに景気後退があるだろうと予想しているので、恐らく2023年に景気後退が起こることはそれほど間違っていないはずです。

景気の悪化にどこまで近づいているのかを知るためには、これからは企業の景況感よりも失業者の増加に目を向けるほうが正確かもしれません。

そう思って、最近の新規失業保険申請件数を見てみると増加傾向を続けています。やはり景気後退は少しずつ近づいている印象です。

2023年はアメリカの景気後退を見越して米国債に投資していますが、今のところは変更する必要はなさそうです。経済指標を見て、何か変調があればその時はブログを書きたいと思います。


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