9月の経済指標が少しずつ発表され始めているので、内容を確認していきたいと思います。
製造業は一時の不調から少し復調している印象はありますが、あやしくなってきたのはサービス業の景況感です。
サービス業はまだわずかに景気拡大が続いていますが、このままいけばあと数ヶ月で景気悪化に沈む可能性は十分あると思います。
この記事のポイント
- NY連銀製造業指数は予想外のプラスで景気拡大に返り咲いた。
- 一方で、サービス業は景気拡大は続いているがゆっくりと減速が続いているように見える。S&Pグローバルのサービス業指数は9月にわずかな景気拡大を示すのみにとどまった。
わずかな復調が見られる製造業
毎月の上旬に発表されるISM製造業指数でアメリカの景気を確認している人は多いと思いますが、それよりも少しだけ早くNY連銀製造業指数が発表されます。
少し前にすでに9月分の発表があったのですが、9月は予想外にプラス圏に返り咲き、景気がわずかに拡大していることがわかりました。
- 予想:-10.5
- 結果:+1.9
この結果はプラスなら景気拡大、マイナスなら景気悪化していると見ます。
最近のNY連銀製造業指数は低調なのは変わりないですが、どうも一時期より復調しているように見えます。
サービス業はわずかな景気拡大
また、S&Pグローバルも同じような企業への景気動向調査を発表しているので見ていきます。
以下が9月の景況感の速報値です。
- 総合:50.1(前月50.2)
- サービス業:50.2(前月50.5)
- 製造業生産:49.7(前月48.5)
- 製造業PMI:48.9(前月47.9)
数字の見方は50を超えれば景気拡大、50を下回ると景気悪化を意味します。注目なのはサービス業の景気指数がだんたんと低下して50に近づいていることです。
今までアメリカは製造業が不調でもサービス業が支えてきた印象があるのですが、最近はサービス業が弱まっているようにも見えます。
これはISM非製造業指数(サービス業)でも見られる現象です。
上図のグラフのようにISM製造業指数は緩やかに低下している傾向が見られます。
薄い水色で示したトレンドラインでは9月はわずかに50を上回りますが、10月からは50を下回ってもおかしくないことを示しています。
サービス業が弱まった後には、ハードランディングになるのかソフトランディングになるのかわかりませんが、何かしらの経済の低迷期となるランディングが見られるはずです。
米国債に投資している身にとしては、景気の低迷期に入ったときに米国債は買われるかが気になるところです。
「米国債はアメリカの財政を懸念してまだまだ売られる」という意見を毎日のように聞きます。
私もアメリカの財政悪化で賛成ですが、それはあくまで長期的なトレンドの話で短期的には(半年から1年以内の話なら)次の景気後退時で米国債は一時的に買われるだろうと思っています。
我慢して投資してきた米国債がどの程度買われるのか、もうあと数ヶ月から数四半期でわかるはずなので結果を楽しみに待ちたいと思います。