Pinterest、面白い企業かもしれません。SNSの巨人フェイスブックいる業界で難しい競争環境ではあるものの、取り組みが斬新で世界でユーザ数を増やしています。
日本ではそれほど知名度はないものの、アメリカでは月間アクティブユーザが8500万人いるSNSの会社です。まだ会社は拡大期なので赤字企業ですが、様々なタイプの広告を出して果敢に攻めている印象です。
2019年上半期に、インスタグラムが商品購入できる広告(Shoppable Ads)を発表して、話題を集めましたが、そのフェイスブックよりもずっと前に同じものを手掛けていたのがPinterestです。そのような努力もあってか、アメリカでは、ユーザ1人あたりの売上が前年比+41%で上昇していて、売上が伸びています。
さてそんなPinterestの2019年第2四半期決算ですが、予想を上回る結果と、今後の売上見通しの引き上げ発表もあり、取引時間外で+15%ほど株価が上昇しています。
- 売上:前年同期比+62%上昇の2.61億ドル。事前予想の2.36億ドルを上回る。
- 損失:-0.26億ドル。事前予想の-0.39億ドルを上回る。
- 2019年通期売上ガイダンス:前四半期での発表は10.55-10.80億ドルの見通しを、10.95-11.15億ドルに引き上げ。事前予想の10.79億ドルを上回る。
ガイダンス引き上げの理由は、多様な広告
ガイダンスの引き上げの理由として、CFOのTodd Morgenfeld氏はさまざまな広告タイプを提供した結果、売上が加速していると話をしています。
クリックして買い物がまでできるカタログの強化
Pinterestは、他の企業に先駆けて「SNS上でいいなと思ったら、その場で購入できる」の仕組みに力を入れてきました。今でこそ、インスタグラムがチェックアウト機能や、Googleのショッパブル広告のように、「その場でいいなと思ったら購入する機能」に広告業界の各社は力を入れていますが、それを真っ先に始めたのがPinterestです。
SNS上ですぐ商品が購入できる仕組みのブームについてはこちらを参照:
インスタグラムは、なぜアマゾンの脅威になるのか。
ビデオとフィードで効果的な広告を目指す
また、とてもシンプルな方針ですが、近年のPinterestは動画広告に力を入れています。雑貨のWairfairによれば、Pinterestの動画広告では他の広告よりもクリック率を50%引き上げ、1クリックあたりのコストも半分に抑えることができたといいます。
このビデオとフィードで顧客体験を変えていく流れは、2019年から2020年にかけて世界的に次世代通信の5Gが展開されてい流れも手伝って、今後ますます伸びていくと思われます。
Pinterestに広告を出しているのは比較的小さな企業ですが、それらの企業が効果的に広告を打ち出すためのツールを提供しており、広告業界の2つの巨人のGoogle, Facebookと戦うための道具となっているとPinterestは言います。
2019年決算スライドの振り返り
売上は前年比+62%です。ちょうど一年前が+59%の売上成長だったので、売上は加速している点がこの企業の魅力です。
月間アクティブユーザー数の伸びです。アメリカ国内は既に8500万人で、頭打ちの状態に入っています。今後は海外ユーザー数の拡大に注目です。
1ユーザあたりの売上です。ユーザ数では頭打ちだったアメリカでも、ちゃんと+41%で成長している点が素晴らしいです。
最後に利益についです。残念ながら赤字です。Pinterestはまだ成長期の企業なので、致し方ないです。