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PIMCO、株の逃避と国債購入を推奨。2020年米経済成長は1.25-1.75%と悲観予想。

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世界的な債権運用会社PIMCOが向こう1年の短期経済見通しを発表

世界的に有名な投資会社のPIMCOは、すごくシステマチックに投資をしていることで有名です。

3-5年の経済予測会議を2日間かけて行って経済見通しを立てた上で、さらに急な変化にも柔軟に対応するために半年から1年後の短期の経済予測を立てて、それにに沿って最適な投資を検討していく姿勢をとっています。なあなあにする日本の企業とは異なる、とても統制されたシステマチックな運用プロセスですね。

PIMCOの回し者ではないので、PIMCOの詳しい運用プロセスについてはこちらのページの動画を御覧ください。

動画を見るとついつい、個人投資家レベルでもここまでシステマチックに投資できたら良いなと思うのですが、やってもリターンが上がる気がしないので、優先順位は後回しですね。

さて、PIMCOが向こう半年から1年後の経済見通しをまとめた短期経済予測を26日にブルームバーグのインタビューで丁寧に説明していたので、早速これらを聞いてみました。

「弱さの窓」入り世界経済、景気後退五分五分-PIMCOフェルズ氏(ブルームバーグ)

PIMCOによる向こう一年の景気見通し

インタビュー動画から、気になったピムコの発言について、拾っていきたいと思います。

    世界の景気は景気の弱い状態に入っている可能性がある。アメリカは少し遅れて、その状態に今まさに入ろうとしている段階

このあたりは、現在の景気の現所の認識を示しているだけですね。私は、アメリカの景気はまだまだしばらく持ちこたえると思っているので、少しだけPIMCOのほうが悲観的かも知れません。

    米国の経済成長率は2018年2.9%だったが、2019年は2.2%と予想。2020年は1.25-1.75%まで低下するとPIMCOは見ている。製造業と貿易の不振が、サービス業と個人消費に影響を与え始める。

2020年のGDP成長率についてですが、予想の上限の1.75%はまだ良いとして、1.25%もありえるというのはかなり悲観的です。どれくらい悲観的かというと先日発表したOECDの2020年のアメリカ経済成長率は2.3%でした。

OECDの予測の半分もありえるというのは、結構な悲観シナリオです。

    景気は極めて不安定な状態。予想よりも、良くも悪くもなる可能性を含んでいる。

ただし、2020年の米国の経済成長率1.25-1.75%の予測は、上振れもするし下振れもすると。多分、ここまで不確定な要素になり得るのは、米中の対立がどの程度激化するか、イギリスがユーロ離脱でどの程度混乱するか、ヨーロッパ経済や中国が2020年にどのくらい景気減速するかなど、不確定要素が大きいからでしょう。

    地域別にもっとも注意すべきは、ヨーロッパ。ヨーロッパは最も貿易にオープンで、貿易の不振の影響を受けやすい。既にリセッションには言っている恐れがあるドイツにが、ユーロ圏を減速させる恐れがある。

こちらは、認識あってます。このブログでも「一番、景気が危ういのはドイツでその影響はヨーロッパにどの程度影響を与えるか」それに加えて「日本が消費税増税でどれくらい景気減速するか」が注目だと書いていました。

参考記事:ドイツ景気後退は秒読み。次はヨーロッパと日本に注目。

    世界の景気の減速がどのようにアメリカに普及するかを考えたときに、最も注意が必要なのはアメリカ企業の投資の減速。そしてアメリカ企業の投資減速は既に始まりつつある。アメリカにはグローバル企業が数多く存在しているので、世界の景気減速の影響を受けて、企業が投資を急速に縮小させる可能性がある。それは、今後のアメリカの雇用を減速し、個人消費に影響を与えうる。

こちらも、認識あってますね。加えて言うならば、私は2019年9月時点では、世界の景気は米中の貿易戦争に強く影響を受けていると思っていますが、ドイツからヨーロッパ、そして日本の順番に景気の減速が大きな経済圏に波及すれば、既にその頃は「米中の貿易戦争」が合意しても、アメリカの景気減速が防げなくなる、次のフェーズに入ると思っています。

理由はPIMCOと同じで、世界の景気が減速すれば、アメリカのグローバル企業の売上が減速して、アメリカの雇用や個人消費に影響がでるからです。ただし、PIMCOほど早くにこれが起こるとは思っていません。2021年くらいからこの状態になるくらいかなと思っています。

先日の記事でも書いたように、1つの国の景気が減速するまでは、想像以上に時間がかかります。なので、いつ株価が大きく下落してもいい準備だけして気長に待とうと思います。

【教訓】景気後退も株価底入れも、予想の何倍も遅くにやってくる。

    このような変化が始まる中では、リスクをとる投資行動は、控えたほうが賢明。株や社債は比重を低くし、国権の比重を大きくするほう良い。もしもリセッション(景気後退)に陥ってしまった場合に、米国債には価格が上昇する余地がある。

最後に国債を推奨するあたりは、やはり債権を運用するPIMCOならではかなと感じますが、対応策については賛成です。

私の場合は既にリスクが高い株を売却して、国債を購入しています。むしろ、国債を買うタイミングが早すぎて、「景気減速が来る、来る、と言われながら全然来ずに、いつまで経っても国債価格が上がらない」という展開や「やっぱり景気減速など来ないで、アメリカは景気が良くなる」という展開を気にしているくらいです。

2021年くらいまでは国債の投資はパットしないリターンで苦しいかもしれないなと思っていますが、先が見通せない不確実な景気なので、気長に待つことにします。


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