高配当銘柄で米国株投資に人気のたばこ大手フィリップ・モリス・インターナショナルが、11年ぶりにアルトリア・グループと統合をする動きを見せています。
8月27日、フィリップ・モリス・インターナショナルは統合に向けてアルトリア・グループと協議中であることを発表をしました。両社はもともとは1つの会社でしたが、2008年に2社に分かれてからアルトリアが米国国内、フィリップ・モリス・インターナショナルがアメリカ以外の海外の事業展開をしていました。
電子タバコで両社が近づく
フィリップモリスとアルトリアの接近の背景には、電子タバコが大きく関係しているようです。昨年のタバコ販売は4.5%減している一方で、電子タバコは約110億ドルに成長しており、今後5年間で年率8%を超える成長が見込まれています。
そうした中、フィリップモリスは従来のタバコではなく、加圧式のデバイスのiQOS(アイコス)を世界で展開していますが、アメリカでのiQOSの販売許可を2019年に取得し、9月にはアルトリアの縄張りであるアメリカに導入する動きを見せています。
一方で、アルトリアは株式の35%を保有してるアメリカで人気を博した電子タバコJUULの国際展開を検討しており、JUULの海外販売強化のためにフィリップモリスが蓄えている各国のタバコ規制に関する知識と販売網に期待が寄せられていました。
ただ、フィリップモリスの発表によれば、統合はまだ協議段階であり、今後は取締役会、株主、規制当局の承認など数々のステップを経なければならないようです。