アルトリアグループとフィリップ・モリス・インターナショナルの合併交渉が物別れに終わった模様です。
“While we believed the creation of a new merged company had the potential to create incremental revenue and cost synergies, we could not reach agreement(Altria CEO)
私達は合併したら年々増加する売上を生み出す可能性がある会社になれると信じていたが、合意に至ることができなかった。(アルトリアCEO)”
プレスリリースはこちら
アルトリアとフィリップ・モリス・インターナショナルは2008年までもともと1つの会社でしたが、2社に分かれてからアルトリアが米国国内、フィリップ・モリス・インターナショナルがアメリカ以外の海外の事業展開をしていました。
この2社は19年8月末に電子タバコの販売の促進のために、合併話が持ち上がりましたが、1ヶ月で物別れに終わってしまったようです。
高配当銘柄のフィリップモリスとアルトリア、再び統合に向けて協議。
2008年までの1社だった当時のフィリップ・モリスは、高配当株かつ高リターンだったことで有名です。1957年から2003年までのS&P500の企業の中で、年率リターンはフィリップ・モリスはトップだった実績があります。
# | 2003年時の社名 | 年率リターン | 配当利回り |
---|---|---|---|
1 | フィリップ・モリス | 19.75% | 4.07% |
2 | アボット・ラボラトリーズ | 16.51% | 2.25% |
3 | ブリストル・マイヤーズスクイブ | 16.36% | 2.87% |
4 | トッツィーロール | 16.11% | 2.44% |
5 | ファイザー | 16.03% | 2.45% |
6 | コカ・コーラ | 16.02% | 2.81% |
7 | メルク | 15.90% | 2.37% |
8 | ペプシコ | 15.54% | 2.53% |
9 | コルゲート・パルモリーブ | 15.22% | 3.39% |
10 | クラネ | 15.14% | 3.62% |
この企業が他の企業よりも優れた成績を上げた秘訣には、長い年月に渡って多数の訴訟を抱えて割安だった時代も、高配当を継続する銘柄だったことにあります。
フィリップ・モリスの投資家は、株価低迷時にコツコツと配当で再投資することで株数を大きく増やし、その後の株価上昇で大きくリターンを生み出せたというのが、高リターンのからくりです。
この栄光ある企業が、復活するかとの一部報道もありましたが、お互いは別々の道を歩む決断をしたようです。
一方で、市場は物別れを歓迎しているようにも見えます。時間外取引でフィリップモリスは7%、アルトリアグループは3%、それぞれ株価が上昇しています。