今週P&Gの2022年1-3月期の決算発表があったので、結果を振り返っておきます。
結果は良かったです。
最近はP&Gのような生活必需品を扱う企業の株価が好調です。その理由は単純で、世界中で物価が上がる時でも生活必需品は(他の業界の製品よりは)安定して買われるからです。
一方で、先日業績が振るわなかったネットフリックスの決算をあわせて考えると、人々はインフレで生活が苦しくなってくる中で生活に必要はモノは消費しつつ、その他の支出を控える傾向にあるのかもしれません。
2022年は投資でも実生活でもインフレがテーマになっているようです。
この記事のポイント
- P&Gの決算は一株利益も売上も共に予想を上回る好調な業績を残し、成長が加速してる様子が見られた。
- 最近の決算では営業利益はマイナス成長だったが、価格上昇と生産性改善でインフレの中でも今期は利益成長を遂げた。
- 2022年度の売上見通しは引き上げたが、2022年4-6月はさらなるインフレが来ると警戒もしている。
好調だった1-3月期
2022年第3四半期(2022年1-3月)のP&Gの業績はかなり好調でした。
一株利益も売上もアナリストの予想を超える業績を残しています。
- 一株利益:$1.33ドル(予想$1.29)
- 売上:$19.38B(予想$18.73B)
最近のP&Gは危なげなく、毎回の決算で予想超えの数字を残しています。2020年4-6月期から2年間(決算8回)はすべて予想超えの決算を出しています。
また、以下の表で前年からの成長率を見てみても、派手さはないもののちゃんと一桁半ばの安定感ある成長を遂げているようです。
単位B:10億 | 22Q3 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $19.4B | +7% |
営業利益 | $4.0B | +6% |
一株利益 | $1.33B | +6% |
アメリカ全体で前年比8%で物価が上昇していることを考えると、株主としては、もう少しP&Gも成長してほしいところですが、成長株ではないので我慢します。
四半期別の売上を見ても、今年になっても陰りは見えないどころか成長率は加速しているようにも見えます。
同じような成長の加速は、営業利益でも確認できます。
P&Gの話によると、インフレが進んで利益が縮小しがちな時期でも価格の引き上げと、生産性の向上で対応てきているといいます。
ただ、好調な決算を背景に4-6月で閉じる2022年度の売上見通しを上方修正した一方で、2022年4-6月には1-3月期以上のインフレも予想されると警戒する発言も見られました。
好調だったオーガニックセールス
P&Gでは、為替や買収の影響を除いた売上(オーガニックセールス)が好調と不調を見分けるカギになると言われています。
このオーガニックセールスを確認しても、成長が加速している様子が見て取れました。オーガニックセールスの二桁成長はP&Gとしてはかなり好調だと言えます。
P&Gにはいくつかの製品カテゴリがあるのですが、どのカテゴリでも幅広く成長率が伸びています。
P&Gの製品カテゴリ
- 美容:ヘアケア(シャンプーやスタイリング)とスキンケア(美容・化粧品)を扱う部門。パンテーンやSK-IIなど。
- グルーミング:シェービングを扱う部門。ジレットやブラウンなど。
- ヘルスケア:オーラルケアとパーソナルヘルスケア(ビタミン、サプリメント、のど飴)を扱う部門。オーラルB、のど飴ビックス。
- ホームケア:ファブリックケア(洗剤やファブリーズ)、ホームケア(食器洗い洗剤、掃除用具)を扱う部門。アリエール、ジョイ、ファブリーズなど。
- ベビー・女性・ファミリーケア用品:幼児や女性、介護用品を扱う部門。ブランドはパンパースなど。
やはり総じて内容が良い決算だったようです。
さいごに
2022年1-3月期のP&Gの決算を見ていきましたが、さすがの安定感だったと思います。
2022年の米国株は全体的に低調な銘柄が多いのですが、P&G株は年初来わずかなマイナスにとどまって健闘しているのですが、インフレの中でも耐えられるP&Gの強さを市場の投資家たちは分かっていたかのような株価の推移をしています。
実は前回の決算では、インフレで営業利益が低迷してるように見えるデータもあって低迷が続くのかとも思われたのですが、利益率はちゃんと改善してくれて一安心しました。