不景気の中、底力を発揮したP&G【20年1-3月期決算】

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P&G、底力ありますね。1-3月期の決算を発表しましたが、景気の悪い世の中の影響をほぼ受けていない安定感を感じる内容でした。

P&Gは保有していても決して大勝ちするような銘柄ではありません。しかし、不安定な世の中だからこそ、底堅くジリジリと成長する様子は好印象です。

この記事を書いている4月19日時点で、2020年のS&P500は株価マイナス11%に対して、P&Gはちゃんとプラス成長に回復しています。

この決算で収益はアナリストの予想にわずかに届きませんでしたが、P&Gの決算で重要視されてるオーガニックセールス(為替・買収の影響を除いた売上)の成長率は予想以上に強かったです。

4-6月期にはアメリカの景気が大きく低迷すると言われていますが、2020年の通年のオーガニックセールスの成長目標を維持した点に、経営陣の自信が伺えます。

この記事のポイント

  • 2020年1-3月期で収益はアナリスト予想に届かなかったものの、利益は予想超え、P&Gで重要視されるオーガニックセールス成長率も予想を超えた。
  • 好調の要因は、新型コロナウイルスで洗剤・ハンドソープ・除菌グッズなどの需要が伸びたこと。反対に、外出しなくなったことから美容品やシェービング用品(ひげそり)の売上はやや低迷した。
  • 来期4-6月期で占める2020年度のオーガニックセールスの成長率目標は4-5%で据え置いた。

2020年のアメリカでは、業種によっては経営難に陥る企業も出てくると言われていますが、この売上であればP&Gには無縁の話です。

新型コロナウイルスで影響を受けるとしたら、製造ラインや供給網に混乱があるかなと頭をよぎっていましたが、今のところ大きな問題にはなっていないようです。

2020年1-3月期結果


P&Gの2020年1-3月期の結果を確認していきます。

  • 一株利益:調整後利益は1.17ドルで、予想の1.13ドルを上回る。(前年比+10%)
  • 収益:172.1億ドルで、予想の174.6億ドルを下回る。(前年比+5%)
  • オーガニックセールス成長率:+6.0%で、予想の+4.8%を上回る。

収益はアナリスト予想にわずかに届きませんでしたが、内容はそれほど悪くなかったと思います。というのも、P&Gで重要視されているオーガニックセールスが、予想を超えて伸びているからです。

P&Gのような既に世界的に大規模展開している企業は、新製品の投入よりも、既存製品をどれだけ伸ばすかが重要になります。

近年のP&Gは増えすぎたブランドを整理して、業績の良い製品を厳選した成果もあって、既存製品の売上成長がかなり底堅く伸びています。これはいい傾向です。

また、アメリカでは2020年の4-6月にGDPが大きく落ち込むと予想がありますが、それにも関わらずP&Gのオーガニックセールスの成長目標を4-5%で据え置いた点もかなり好印象です。

部門別売上


ここからは、部門別の好調不調を見ていきます。P&Gは5つの製品カテゴリーに分かれています。

  • 美容:ヘアケア(シャンプーやスタイリング)とスキンケア(美容・化粧品)を扱う部門。パンテーンやSK-IIなど。
  • グルーミング:シェービングを扱う部門。ジレットやブラウンなど。
  • ヘルスケア:オーラルケアとパーソナルヘルスケア(ビタミン、サプリメント、のど飴)を扱う部門。オーラルB、のど飴ビックス。
  • ホームケア:ファブリックケア(洗剤やファブリーズ)、ホームケア(食器洗い洗剤、掃除用具)を扱う部門。アリエール、ジョイ、ファブリーズなど。
  • ベビー・女性・ファミリーケア用品:幼児や女性、介護用品を扱う部門。ブランドはパンパースなど。
単位:10億ドル 収益 オーガニックセールス成長率
美容 3.0 +1%
グルーミング 1.4 -1%
ヘルスケア 2.3 +9%
ホーム 5.8 +10%
ベビー・女性・ファミリー用品 4.6 +7%
Total P&G 17.2 +6%

上の表を見てみると分かるのですが、美容とグルーミング(ひげそり)の売上がイマイチ、その他の売上は軒並み堅調です。

P&G全社では新型コロナウイルスの影響はプラスに作用


今回の売上の好調不調は、新型コロナウイルスの影響を強く受けたものになっています。

決算発表の電話会議でP&GのCFOは衛生への意識の高まりから、ハンドソープ・抗菌スプレー・洗濯用洗剤の需要が急増したと言います。また、家で食事の回数が増えたことで、食器洗い洗剤の消費も増えたようです。

個人的に面白いなと思ったのは、美容とグルーミング(ひげそり)の売上が低迷したことです。外出しなくなったことで、男女ともにひと目を気にした製品の売上が低迷したのだろうと思います。このあたりに消費者の行動がよく現れています。

ただし、P&Gの全社では新型コロナウイルスで好影響を受けている部門が多いです。以下、P&Gで新型コロナウイルスで業績が伸びた部門(赤っぽい色)と伸び悩んでいる部門(青っぽい色)で色付けして売上構成を調べてみました。

おおよそ売上の75%が新型コロナウイルスで好影響を受けているので、今期の売上も大きな減少をせずに安定した業績を残せたようです。


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