割高な株を判断するPERの調べ方と見ているポイントについて【個別株編】

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このブログではよく株が割高かどうかを調べるために、PERという数字を使っています。

このPERは投資をはじめて数ヶ月の人でも知っている基本的な数字ですが、なかなか面白いテーマなのでこの記事で触れていきたいと思います。

この記事で扱うこと

  • PERとは何か
  • 私が見ているPERの種類について
  • PERを調べているサイトについて

そもそもPERとは何か


PERは株価を1年分の一株利益で割った数字です。

  • (PER) = (株価) ÷ (1年間に企業が儲ける一株あたりの利益)

利益が大きくないのに株価が高くなっている企業ほどPERの値が大きくなるので、PERを見ることでどれだけ割高なのかを見ることがでます。

同じ一株利益を出している2つの企業があったとしても、「利益成長率が大きい企業」「人気が高い企業」「安定した収益基盤を持っている企業」のほうが株主の評価が高くなり、PERが高くなる(株価も高くなる)傾向があります。

2つのPERの種類について


PERの計算に使う「1年間に企業が儲ける一株あたりの利益」の集計の仕方で、PERにも種類があるのをご存知でしょうか。

大きく分けると「(1)過去の12ヶ月の一株利益の実績値」を使って計算するのか、「(2)今後の12ヶ月の一株利益の予想値」を使って算出するのかの違いがあります。

PERの2つの種類

  • (1)通常のPER:(株価)÷(過去の12ヶ月の一株利益実績)。英語表記はTrailing Price/Earning Ratio。
  • (2)予想PER:(株価)÷(今後の12ヶ月の一株利益予想)。英語はForward Price/Earning Ratio。

通常、単に「PER」という場合は、(1)過去の12ヶ月の一株利益を使って計算したものを指していることが多いです。

投資家目線で使い勝手が良いのは予想PER

ここから私の独断と偏見でこの2つの使い勝手について少し触れますが、私の場合はよく見るのは(2)の予想PERで、(1)の過去12ヶ月の一株利益を使って計算する通常のPERは投資する上でほとんど参考にしていません。

株は将来予想される業績を次々と反映して株価がつくものなので、過去の実績を見てもしょうがないからです。これについて少し例をあげて、考えていきます。

過去の実績を使う通常のPERが役に立たない例

例えば、コロナの流行で大きく利益が悪化した航空会社の例を考えてみます。

2021年3月現在、航空株の過去12ヶ月の利益はコロナで大幅に悪化したせいでPERはとても大きくなっているか、もしくは赤字に転落してそもそもPERが計算できない状態にあります。

(赤字でそもそもPERが計算できない場合はさておき、)この場合で通常のPERを元に判断するなら「PERが大幅に大きくなっているから割高だ」と言って航空株に投資するのを避ける判断をするはずです。

しかし、実際にはこの数ヶ月はワクチンの接種が進んで、航空株は今後の収益見通しが改善されるとの期待から株価は上昇しています。

2月中旬から3月中旬にかけての米航空会社の株価

この例からもわかるように、株価は常に将来の予想(期待)を反映して動くはずなのに、通常のPERを見て投資を判断する場合には過去の実績を見ることになるので判断にずれが生じやすいという欠点があります。

一方で、将来の予想利益を元にした予想PERを見て判断するなら、こうした投資判断のズレはいくらか解消されます。

航空会社が受けているコロナのダメージは何年も継続するちょっと特殊なものなので、予想PERに使う一株利益を「今後12ヶ月の予想利益」ではなく、もう少し業績が回復しているはずの「2022年度の一株利益」を使ってあげると、デルタ航空なら2021年3月時点でその値はわずか13倍であることがわかります。(※調べ方は後ほど紹介します)。

2021年3月時点の米国株の1年後の予想PERの平均は22倍なので、2年後のデルタ航空の予想PER13倍という数字は、割高ではないことが分かります。

このように、通常のPERで割高かどうかを判断しようとするとデルタ航空は赤字でPERが計算すら出来ずに判断ができませんが、将来の一株利益を使った予想PERを使えばデルタ航空も十分の投資対象になりうると判断できます。

どのサイトでPERを調べているか

ではどのようなサイトで予想PERを確認しているかを書いていきます。

Morningstar

1つ目に紹介するのはMorningstarという投資情報サイトです。例えばマイクロソフトの予想PERを調べるなら、こちらのページで調べることが出来ます。

モーニングスターの画面

このサイトの便利な点は、過去10年分の予想PER(1年後の予想一株利益を元にしたPER)が分かることです。

過去の予想PERと比べると、今がどれほど割高なのか一目で分かるようになります。

Seeking Alpha

2つ目に紹介するのはSeeking Alphaです。

先程のMorningstarも十分便利ですが、上で書いたデルタ航空のように2年後や3年後の予想利益を使ったPERを調べる場合には、Seeking Alphaを使っています。

試しにデルタ航空の2年後、3年後の予想PERを調べるにはこちらのページ下部にある業績予想(Earning Estimates)を見ます。

デルタ航空の予想PER

上記のようにデルタ航空の2-3年先のアナリスト予想とその数字を使った予想PERを見ることができます。

利益成長率が高い企業なら2-3年先のPERも見てみる

最後に少し補足をすると、この2-3年で利益が急成長する企業を評価するときにも、よく2-3年先の予想PERを見ます。

たとえば、ネットフリックスの予想PERを見てみると、2021年度の予想PERは51.5倍で「かなり高いな」という印象をもつと思います。

ネットフリックスの予想PER

しかし、ネットフリックスは利益成長率が高い企業なので、2023年度にもなると予想PERは28.99倍まで落ち着き、割高感はやや薄まります。(業種が違うので単純比較できませんが、マイクロソフトの2023年予想PER25倍と比べてもそれほど大差ないです)

利益成長率が高い企業のPERはどうしても高くなって割高と判断されがちですが、数年先の予想PERまで確認すると、投資の選択肢になる場合もあります。


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