FRBが注目しているPCEデフレータの6月分のデータが発表されました。
データは引き続きアメリカのインフレ鈍化を示していると思います。
前日の好調なGDPのデータと合わせて考えるとインフレは鈍化していて、なおかつ景気も良いという株にはとても良い投資家環境になっているように見えます。
米国債に投資をしていて、2023年の株価の上昇に乗れなかった私は少し悲しい思いをしていますが、これからはインフレ鈍化が進みつつ景気も鈍化するなら、米国債にもまだチャンスがあると信じて気長に上昇を待つことにします。
この記事のポイント
- 6月のPCEデフレータでもアメリカでインフレ鈍化が進んでいたことが示された。
- PCEデフレータは前年比で3.0%まで低下して、2%が目前にまで迫った。
- PCEコアは前年比ではまだ高い伸びが続いているものの、過去3ヶ月ではインフレ鈍化が進んでいることがわかる。
PCEのインフレ鈍化が進む
それでは、6月のPCEデフレータの結果を見ていきます。
- 前月比:0.2%(予想:0.3%)
- 前年比:3.0%(予想:3.0%)
まず、PCEデフレータの前年比3.0%にまで下がっています。2022年に最高で前年比7.0%まで上昇したインフレも、いよいよ2%台が目前にまで迫ってきました。
もう少し細かくデータを見てみると、過去3ヶ月のPCEデフレータの伸びは年率2.5%まで下がってきていることがわかります(下図参照)。
(前年の低いインフレのせいでこれから更にインフレ鈍化するには少し時間がかかりますが)このペースが続くなら、数ヶ月後に前年比も2%台に突入できるはずです。
PCEコアインフレも鈍化の兆し
一方で、なかなか下がらないと話題になっていたPCEコア(食品とエネルギーを除いたPCEインフレ)も、今月は低い伸びが続いたようです。
- コア前月比:0.2%(予想:0.1%)
- コア前年比:4.1%(予想:4.2%)
前年比ではまだ4.1%と高いが、前月比は0.2%と低い伸びを記録しています。最近は、PCEコアでも低い伸びが続いていおり、3ヶ月の伸びは年率3.4%のペースにまで落ち着いてきています。
というわけで、なかなかインフレに鈍化傾向が見られなかったPCEコアも最近数ヶ月は順調に伸びが鈍化していることがわかりました。
すでにこのブログでは何度か書いていますが、インフレ鈍化が進むならFRBの利上げにもブレーキがかかり、株にも国債価格にも良い影響が出るはずです。
その上で、景気が良ければ株が優位、景気が悪ければ国債が優位という展開になるはずです。
今のところは、前日のGDPの記事でも書いたようにまだアメリカの景気が強いので、株が有利な展開が続いています。