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警告を出し始めたニューヨーク連銀の景気後退モデル

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久々にニューヨーク連銀が公表している景気後退確率モデルについて触れていきたいと思います。

この景気後退確率は、かなりの高い確率で過去の景気後退の発生を当ています。

最近では2023年に景気後退が起こる確率が上昇してる様子が見られるので、そろそろこのモデルを月1程度の頻度で確認するのも良い気がしてます。

この記事のポイント

  • ニューヨーク連銀の景気後退モデルは過去の景気後退をかなりの高い精度で当ている。
  • 今回の景気サイクルではFRBの利上げが遅れたため、NY連銀の景気後退確率が上昇する時期も遅れたが、ついに2023年の景気後退確率の上昇が見られ始めた。

ニューヨーク連銀の景気後退モデル


半年前に次のような記事を書きました。

>>ニューヨーク連銀の景気後退モデルは今は役に立たない(22年2月14日)

FRBのニューヨーク連銀は、1年後の景気後退確率を計算してサイトで公表しているのですが、今年の2月時点ではこのモデルは役に立たないという内容を書いています。

役に立たない理由は、今回の景気サイクルではFRBの政策金利の引き上げ開始がかなり遅れてしまったので、本来なら高い確率で景気後退になるような時期でも低い確率が表示されてしまうためです(詳しくは上の記事を参照)。

しかし、上の記事を書いてから半年以上が経過する中でアメリカは異例の大幅な利上げを繰り返して、だいぶ利上げの遅れを取り返し始めています。

そろそろ、再びニューヨーク連銀の景気後退確率を確認しても面白い気がしています。

現時点の景気後退モデル

この記事を書いている9月6日時点で、ニューヨーク連銀は2023年6月までのアメリカの景気後退の確率を以下のグラフの形で公表しています。

2023年半ば頃からアメリカの景気後退の確率が上がっているようです。23年6月の景気後退確率は18%にまで上がっています。

この18%という数字が高いかどうかですが、私は決して楽観できない数字だと思います。

過去には確率が25%〜30%を超えた時点でたいていの景気後退は起こっていました(1981年のようにまれに確率6%でも景気後退が起こることもあります)。2023年6月の景気後退確率は20%弱だとするなら、警戒して良い時期です。

景気後退入り NY連銀が算出した景気後退確率
2020年2月 27%
2007年12月 37%
2001年3月 26%
1990年7月 31%
1981年7月 6%

加えて、今回の景気サイクルでは利上げが遅れたために「23年6月の景気後退確率は18%」という数字は低めに算出されている可能性があります。

9月のFOMC後に


この記事ではニューヨーク連銀の景気後退モデルについて久々に取り上げました。

今回の景気サイクルでは、このモデルの景気後退確率は本来よりも低めに算出されているはずですが、それでも2023年の半ば頃から20%に迫る確率にまで上がっています。

また、この景気後退確率は3ヶ月国債の利回りが上昇して10年国債の利回りに近づき追い越すほどに上昇します。

9月下旬に予定されているFOMCでは0.75%の利上げが予定されており、この利上げ後に3ヶ月国債の利回りもついに10年国債利回りを追い越すことが予想されています。そうなれば、ニューヨーク連銀の景気後退確率はさらに上昇するはずです。

そろそろニューヨーク連銀の景気後退確率ですらも、アメリカの景気後退の警告を発し始めたように見えます。


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