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エヌビディア、売上は大きなマイナス成長も予想超えの決算【23年度第4四半期】

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エヌビディアの決算を見ていきたいと思います。

もはや説明は不要かもしれませんが、この企業はコンピュータグラフィックスに強い半導体を作ってゲーム機をつくる企業に販売したり、人工知能などの大規模な計算に向く半導体を作ってデータセンターに売ったりしている企業です。

この企業のデータセンター事業はやはり注目に値する企業だと思います。

AIのブームがあろうとなかろうと、データセンターでコンピュータに計算させることは長期的に増えていくはずで、エヌビディアの活躍の機会は広がっています。

次のアメリカの景気後退で下落したら、買う銘柄の候補になりえると考えています。

この記事のポイント

  • 売上も一株利益も予想を上回って成長した。決算発表後に株価は+8%超。
  • 主力のデータセンター事業は成長の減速が続いているが、CEOはゲーム事業について回復しつつあると認識を示す。
  • 最近話題の多いAIの分野は膨大な計算が必要で、人工知能の計算処理に強いエヌビディアの半導体は恩恵を受けれる可能性がある。

予想ほど悪くなかった決算

2023年第4四半期(22年11月から23年1月)のエヌビディアの数字は、予想していたよりも良かったです。

  • 一株利益:$0.88(予想$0.81)
  • 売上:$6.05B(予想$6.00B)

一株利益も売上も予想を上回って強気な業績予想も好感されたのか、株価は決算発表後に大きく上昇しています。

株価は勢いよく上がっていますが、11月から1月の業績は手放しで喜べる内容ではなかったと思います。「予想したよりはひどいものではなかった」という感じです。

売上や営業利益を見てみると、前年比ではまだ大きなマイナスに沈んでいます。まだ成長路線に戻ったわけではありません。

ゲーム向け半導体ビジネスが下げ止まる

今回の決算について、もう少しだけ詳しく数字を追いかけてみましょう。

エヌビディアの主力事業は2つで(1)データセンター向けに半導体を作るビジネスと、(2)ゲーム機向けの半導体を作るビジネス(ゲーミング)です。この2つで売上のエヌビディアの売上の9割を占めます。

セクター 売上 構成比 前年比
データセンター $3.6B 60% +11%
ゲーミング $1.8B 30% -46%
その他 $0.6B 10%
合計 $6.1B 100% -21%

今回の決算で良かった点は、売上の3割を占めるゲーミングの成長減速が緩やかになったことです。下のグラフで過去数四半期の成長率をまとめましたが、成長悪化が続いていたゲーミングに底打ちの兆しが見られます。

パンデミックでゲーム機が売れた反動で、2022年からはゲーミングの売上が低迷していましたが、ようやくトンネルの出口が見えてきたのかも知れません。

ゲーミングはパンデミック後の低迷から回復しつつある

(決算発表CEOコメントより)

一番の主力で投資家からの期待も高いデータセンター事業からの売上の成長率が鈍化している傾向は変わりませんが、ゲーミングに関しては良い兆候です。

最近のAIブームについて

決算発表のプレスリリースにはCEOのコメントがいくつか乗っています。ゲーミングについてのコメント以外には、最近世の中を賑わせているAIに関する発言が見られました。

AIはあらゆる産業に広く活用されるための転換点にさしかかっている。スタートアップ企業から大企業まで、ジェネレーティブAI(ChatGPTなどのテキスト作成や、その他の画像作成など)の応用の広がりと何ができるのかに関心が加速している。

エヌビディアは顧客がジェネレーティブAIや言語を扱うAIの活用で躍進する手助けをすることになるだろう。

一般的にAIを作るには(特にAIを学習させる段階で)膨大な計算が必要になります。

なので、AIがブームになる状況はエヌビディアなどの半導体企業にとって、新たな高性能な半導体を買ってくれるビジネスチャンスとなるようです。AIに関する強気な見方があるためなのか、業績見通しは予想を上回る数字が提示されて、株価が上がる要因にもなっています。

  • 2-4月期売上見通し:$6.5Bプラスマイナス2%
  • アナリストの予想:$6.3B

また、このブームがなくとも長期的に世の中のコンピュータの計算量は増えていくはずで、エヌビディアのようなデータセンターに半導体を提供する企業は長期的にもチャンスが広がっています。

私は2023年にアメリカは景気後退になると考えているので今エヌビディア株を買う予定はありませんが、次に幅広く株価が下がるような展開が来ればこの株は投資先の候補の1つになりそうです。


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