ナイキ、Direct to Consumer戦略が成果を上げて好決算を出した2020年第1四半期。

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9月24日に、ナイキは2019年9月に決算報告を出しました。結果はよかったです。売上・利益ともに予想を上回り、近年進めているDirect to Consumer戦略が成果をあげていることを確認できた好決算になりました。

  • 売上:前年比7%増加の106.6億ドル。アナリスト予想の104.4億ドルを上回る
  • 一株利益:前年比28%増加の86セント。アナリスト予想の70セントを上回る

最近、私は小規模の赤字覚悟で勢いのある企業の決算資料ばかり見ていたせいかもしれませんが、ナイキの決算の数字は本当に安定感があるなと感心しました。

後述しますが、粗利は11%増(売り上げ7%増、販売コスト4%減)で、そして綺麗に配当の増加率も粗利にそって10%です。とても無理なく増配10%を実現しています。

コカ・コーラが長期的に4-6%の売上増加を目指していたり、ウォールマートなどの小売ビジネスの近年の苦戦を知っている場合には「たかが靴だけのビジネスで7%も売上増加しているって、わりと調子がいいな」って思われるかもしれません。

ナイキが何をやっている企業か知らない人はいないと思うのですが、何に力を入れているかはあまり知られていないと思います。2017年から特にナイキが力を入れているのは、Direct to Consumer(D2C)と呼ばれるナイキから消費者への直接販売です。

具体的には、ネット販売を強化していて、2020年第1四半期の間にオンライン売上は42%上昇し、ナイキの新たな収益源として期待が向けられています。

オンラインでの販売は販売コストの押し下げにも貢献しているようで、販売コスト4%現象の要因としてオンライン売上が寄与したとナイキはコメントしています。

コンシューマ・ダイレクト・オフェンス戦略

ナイキの消費者への直販(D2C)を強化する目標は、実はそれほど新しいものではありません。今動いている計画では2017年に発表があったもので、大事な数字だけ端的にいうとD2Cの売上だけで2020年会計年度までに160億ドルを目指すというものです。

2019年度のナイキの売上が約400億ドルだったので、160億ドルはその約40%にものぼる金額です。

NIKE, Inc. Announces New Consumer Direct Offense: A Faster Pipeline to Serve Consumers Personally, At Scale

そして、160億ドルの売上を突破するために、打ち出している方針がナイキの「トリプル・ダブル戦略」というものです。今までの2倍のスピードで、2倍のイノベーションを起こして、さらに消費者とのコネクションも2倍にするというものです。

これに則って、ナイキはアプリの開発、画期的な新商品の開発、さらに量販店ではなくAmazon、中国ネット通販のJD.com、スポーツ関連用品のFooter Lockerのネット通販、欧米のアパレルネット通販のZalandoでの販売強化に乗り出しています。

画期的な商品の開発の例:
ナイキ、Siriに反応する自動調節シューズを発表。ついに声で靴を履く時代へ。

こうした努力末に、「たかが靴を作るビジネス」にも関わらず1桁後半の売上成長を可能にしているようです。

きれいな、とても綺麗で無理のない配当増加

さて、話題が変わるのですが、決算を見ていて私が特に思ったのは、無理のないきれいな配当増加率です。

今回の決算では、売上7%増加、販売コスト4%減少で粗利の時点で既に11%増加を達成しているので、無理なく10%の配当増加が実現できています。

主要な指標 変化率
売上増加率 7%
販売コスト減少率 4%
粗利増加率 11%

調べてみると今回の決算だけでなく、ナイキは継続的に何年も無理のない配当の増加を行っています。この十年間で一株あたりの配当は0.27ドルから0.86ドルへと3倍に上がっていますが、配当性向(利益に占める配当支払いの割合)は数%しか増加していません。

2018年に利益が落ちたタイミングで配当性向が上がっていますが、2019年には配当性向が30%前半に戻っています。

この10年間の粗利に平均増加率は8%、更に毎年2%ほど株数を減らしているので、単純計算で足し合わせると粗利ベースで10%は配当を増加できることにあります。(※本当は粗利ではなく一株利益を使うべきですが、2018年の変動が激しいので粗利で見ています。)

そして実際にはこの10年間の配当平均増加率は13%を実現しています。

普通のサラリーマンをやっていて、10年間で平均13%の年収アップをすることは不可能です。株ではそれが持続可能な形で実現できるというのは、かなりの魅力だなと感じました。

ナイキいいですね。購入も検討したいなと思う、決算でした。


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