ネットフリックスの1-3月期の決算が発表されました。
決算発表後に株価が急落したので、中身を確認しなくてもかなり悪かったんだなと想像がつきます。
悪い材料は色々あったのですが、一番の大きな出来事としてネットフリックスは10年間で初めて会員数の減少を経験したようです。
この記事のポイント
- ネットフリックスの1-3月期の業績は一株利益は予想を上回ったものの、売上は予想を下回った。
- 22年1-3月期の有料会員の純増数はマイナス20万人で、10年間で初めての純減になった。
- ネットフリックスの見通しでは4-6月期も会員数の減少が見込まれる。ネットフリックスの経済的な濠が揺らいでいる。
悪い材料の多い1-3月の決算
今回のネットフリックスの決算は内容が良くなかったです。
一株利益は予想を上回ったものの、売上は予想を下回りました。
- 売上:$7.78B(前年比9.8%、予想$7.93B)
- 一株利益:$3.53(前年比マイナス5.8%、予想$2.89)
- 有料会員の純増数:前期比マイナス20万人(予想プラス273万人)
売上が伸びなかった原因はこの後詳しく触れますが、昨年12月に比べて有料会員が減少したためです。
そのため、売上成長率もかなり鈍化して前年比わずか+10%にとどまっています。これはネットフリックスとしてはかなり物足りない数字です。
上のグラフで売上成長率を見ても、今期の売上成長の鈍化がひと目でわかります。
上図はネットフリックスの営業利益です。
売上が伸びない中でも利益を確保しているのはさすがです。
過去10年間で初めて会員数が純減
売上成長が鈍化した原因は、ネットフリックスの会員数が伸びなかったためです。今期は、過去10年で初めて前期比で会員数の減少が見られました。
では、なぜ会員数が減少に転じたのでしょうか。原因はいくつもあるようですが、ネットフリックス次のような説明をしています。
(括弧の中は、私の補足説明です。)
- 競争が激化している(動画配信サービスのライバルのDisney+など)
- パスワードシェアリングの増加(パスワードを共有してタダで視聴するユーザが増えている。)
- 物価上昇(ネットフリックスのような娯楽への消費が弱まる)。
- ロシアとウクライナの戦争(規模は大きくないもの、ロシアでのサービス提供を停止した。)
さらに、問題なのは会員数の低迷が4-6月期も続きそうなことです。
ネットフリックスの見通しでは4-6月期は今期よりもさらに大きくユーザが減少すると発表しています。
さいごに
ネットフリックスの決算を見ていきましたが、今回は株の購入を検討している投資家にとって頭の痛い決算になりました。
会員数の低迷が予想以上に深刻で、なおかつ低迷が長引く恐れも出てきています。
私はネットフリックスはもう少しユーザー減少に強い企業かと思っていました。一度会員になれば、動画をあまり見ていない月でも退会手続きをするのが面倒で毎月の課金が発生し、ライバルがどうであれ安定した売上が見込める企業(経済的な濠がある企業)だと思っていたのですが、そうでもないようです。
これでは流石に今はネットフリックス株を買える状態ではありません。
決算発表前からネットフリックス株は2022年に入ってから大きく低迷していたのですが、冒頭でも話したように今回の決算発表後に20%超えの下落をしたことで、2022年の成績はマイナス57%にまで拡大してしまいました。
前回の決算時に「そろそろ買い場が近いかも知れない」という記事を書きましたが、残念ながら買い場は遠のいた印象です。