シリコンバレーバンクが破綻してから、アメリカは一気にリセッション(景気後退)に向かっていくのかと頭によぎった人もいると思います。
私もそういう展開もなくはないと思っていたのですが、どうもアメリカはまだまだしぶといことがわかったというのが昨日の以下のブログでした。
今はアメリカのりセッションに備えて普段よりも米国債をかなり多めに保有しているのですが、この投資はまだまだ忍耐強く続けなければならないようです。
この記事のポイント
- 2023年にアメリカはリセッションに突入すると予想しているが、想像以上にしぶとく景気拡大を続けている。
- 1月は前月の低迷からの反動で大きく消費が拡大した上、3月の銀行の混乱も今は落ち着きを見せ始めた。
- それでもアメリカの景気減速トレンドは変わっていない。ゆるやかだが、リセッションに向かっているので忍耐強くリセッションに強い投資を続ける。
予想よりもしぶといアメリカの経済
この記事を書いている時点の私の投資はかなりシンプルです。
2023年のアメリカはリセッションに突入するので、過去のリセッション時にリターンの高かった米国債を買っておくというものです。
今年も既に4分の1が終わったのですが、投資はあまり満足のいく形にはなっていません。
読みどおりアメリカの経済はリセッション(景気後退)へと向かっているはずなのですが、それを見越して購入していた米国債の値上がりはあまり大きいものではありません。
リターンは出ているのですが、「こんなもんか」という感じです。
誤算だったのはアメリカ経済が思っていた以上にしぶといことです。1月は12月のリバウンドで消費が増え、また3月のシリコンバレーバンク破綻の余波もアメリカは乗り切ったように見えます。
シリコンバレーバンクの銀行不安から直接そのまま景気後退につながれば、米国債はもっと買われたのだろうと思いますが、3月のFRBの銀行救済策で延命したことで3月に買われた国債が最近ではやや売り戻されています。
それでもアメリカは景気後退へ
ただ、それでも2023年はアメリカの景気後退にかける投資(米国債買い)をしておけば、問題ないと思っています。
経済指標はかなりゆっくりではありますが、アメリカの経済が弱まっている兆候を見せ始めています。
インフレの兆候が見られ、小売の売上高の伸びは鈍化し、かすかに失業者が増えている兆しも見られます。
JPモルガンのダイモンCEOの言葉をかりるなら、経済に嵐を巻き起こす雨雲が水平線上に見えている状態です。まだ大雨が降ってるわけではないのですが、その兆候がすでに見えるという感じです。
前年から注意深く見守っていのだが、経済の嵐を持たらす雨雲がやってくる兆候が見られる。そのリスクに銀行の混乱が加わった。
銀行を巡る状況は2008年とは違うし、今は解決しなければならない問題も当時より少ないが、これからは資金の貸し手がさらに守りに入って信用収縮が起こると予想される。この信用収縮が消費を減速させてしまうのかどうかは、われわれには分からない。
JPモルガン、ジェイミー・ダイモンCEO
なので、あとは時間の問題なのだろうと思います。
先日も書いた通り、金融引き締めが強すぎて数ヶ月後にでも再び銀行の破綻の危機が起こるのが先か、リスクオフに転じた銀行の貸出しが厳しくなったことで倒産する中小企業が増えて景気悪化が起こるのが先かという展開だろうと思います。
どちらも耐える力はまだありそうなので、まだすぐにアメリカのりセッションがはじまるわけではない気もします。
ただ、アメリカの進んでいる方向はやはり景気後退だという考えは変わりません。時間はかかりますが、リセッションに強い米国債への投資を気長に続ける忍耐が求められそうです。