最近、アメリカの消費が減速してるという話がいくつか聞こえます。
ここでは、アメリカ政府から発表されている毎週の消費の推計値について見ていきます。
短めな記事になりますが、言いたいことは1つだけで「11月前半の消費は良くなかったかも」ということです。
この記事のポイント
- 11月15日週の消費額の推計値が発表された。前週よりも良かったが、それでも11月は消費の減速しているように見える。
- 11月にアメリカの消費が弱まった疑いはわずかに濃くなった。
11月から減速しているアメリカの消費
アメリカ経済分析局(BEA)は毎週、Near Real-Time Spendingというデータを発表しています。
直訳すると「ほとんどリアルタイムで発表される消費データ」という意味で、クレジットカードの利用状況からアメリカ全体の消費を推計したデータを毎週発表しているようです。
昨日は11月15日までの1週間の消費データが発表されたので、結果を見ていきます。
このリアルタイム支出はデータのばらつきが大きいので過去4週間の平均値(上のグラフの濃い赤線)で傾向を見てみると、やはり11月から消費がガクンと落ちています。
4週平均がマイナス圏に落ちているのは21年2月以来のことで、今の低水準は2020年12月以来の水準のようです。
個人消費への影響
当然、このデータが低迷しているなら、毎月発表されているアメリカの個人消費も調子を落とすことになりそうです。
下の図はリアルタイム支出と毎月発表されるアメリカの個人消費の名目成長率(前年比)のデータを重ねたものです。数字こそ上下にぶれていますが、消費の加速や減速の大きな傾向は似ています。
というわけで、恐らく11月はアメリカの消費が減速しているのではないかと考えられます。
さいごに
アメリカの消費が減速したかもしれないことは1週間前のリアルタイム支出でもお話をしました。
その時点では、このデータは推計値で翌週に修正がかかることも多いので、11月の消費の低迷したかはまだわからないし一時的かもしれないという話に留めていました。
しかし、今週もあまり強くない消費データが出てきたことで、数ヶ月前まで強かったアメリカの消費は影を潜めたという疑いがわずかに増しました。
今週はサンクスギビングデーがある週で、1年の中でも消費が特に活発になる時期と言われています。この週に消費が盛り返すかどうかは、11月の消費の鍵を握りそうです。
最近はアメリカの消費の雲行きが怪しくなっている気がするので、今週のセール関連のニュースは少し気にかけたいと思います。