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デビュー戦で華々しく散った、サブプライム・リーマンショック体験記。

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投資をして、初めてむかえた金融危機

1980年代生まれの私は、幼少期の日本のバブル崩壊に始まり、多感な時代を数々の金融危機と共に過ごした、なんとも残念な世代なわけですが、とりわけ2007年と2008年のサブプライム・リーマンショックは、自分が投資をしてから初めて訪れた金融危機で強烈な体験として記憶に残っています。

  • 1991年:日本バブル崩壊(日本)
  • 1997年:アジア通貨危機
  • 2000年:ITバブル崩壊
  • 2007年:サブプライムショック
  • 2008年:リーマンショック

当時の記憶が薄れないように、こうしてブログの記事として記録として残したいと思います。

無防備な私を100年に一度の危機が襲う

私は投資をはじめて間もない状態で2007年のサブプライムローン危機を向かえましたが、泳ぎの初心者が大津波に逆らうがごとく、無防備な状態でした。その時はFXをしていましたが、ドルが大幅に下がったあとに追加投資してもまだ下がり、さらに追加投資してもまだまだ下がり、底なし沼にはまるようズルズルと損をし続けたを覚えています。

私のその時の投資の作戦は「ドルが下がったら、追加投資してリバウンドを待つ」でした。

このスラムダンクのリバウンド王、桜木花道のような作戦自体は別に悪くなかったと思います。問題はあまりにも大きな下落を予期していなかったこと、そしてこんなにも長期的な継続的な下落を想像だにできていないことにありました。

2007年から2008年の2年間で、何度リバウンドに失敗したことでしょうか。数えきれない全滅の末に泣く泣くFXはからは退きました。退いたタイミングもまずく、その後の大きな景気の回復の波を逃したのもいい思い出です。

私の投資は完全な失敗からスタートし、方針そのものを大きく変えざるを得ませんでした。

投資初期に金融危機を体験できた幸運

私は生まれてはじめて投資をいうものにチャレンジして、数ヶ月も満たない間にサブプライムローン危機・リーマンショックを迎えたのですが、その頃はまだ大学で勉強をしていた学生でした。今思えば、これらの大きな危機を投資1年目にして経験できた私は幸運だったかもしれません。

まず、これだけ大きな金融危機にもかかわらず、失ったお金は最小限で済みました。なけなしのアルバイトでためたお金なので、損失分は、その後の勤めることになる平凡な会社の初任給の1〜2ヶ月ほどですみました。これがもし社会人になってからのまとまった投資、もしくは老後に退職金をつぎ込んだタイミングで危機が起こったら、こんな額ではすまされなかったはずです。

また、この時の損失をきっかけに投資の方法を見直しすることができました。この時は早く儲けたいと思うばかりに、無理な投資方法をして損を大きくしてしまいました。

私にとって使いこなせなかった無理な投資方の一つに、FXでは少ないお金で多くの資産を動かすレバレッジという方法があります。レベレッジは2倍に設定すれば、儲けが2倍になる分、損も2倍になります。サブプライムローン危機・リーマンショックでは最大で40%の下落があったため、レバレッジを2倍の設定にしていれば80%の損を被ってしまいます。私が損失に耐え切れず、投資を一時的に断念せざるを得なくなったのは、このレバレッジによる損失の拡大でした。そして、ここで損を抱えたまま撤退してしてしまったせいで、後々の危機からの景気回復の波にも乗り過ごしてしましました。

「利益を出す前にまず、生き残らなければだめだ」

これが、私の姿勢の大前提になりました。

レベレッジをやめる

1929年以降の世界恐慌による株価89%の下落のような事態でも市場から撤退をしなくていいように、自分の投資金額以上のお金を動かすレバレッジを使うFXはやめました。同じようなレベレッジが使える株の信用取引も、今後も手をださないと思います。

ところで、先ほどレバレッジを使わなくなった理由を「世界恐慌による株価89%の下落のような事態でも市場から撤退をしなくていいよう」にするためと言いました。遠い将来にサブプライムローン危機・リーマンショックのような危機が起きた時、「下がり始めたら売って、大きな下落が終わったら買い戻せばいいのでは?」と言い出しかねない愚かな未来の自分のために、この記事の最後にメモを残しておかなければなりません。

「自分には短期的な相場は読めない」

短期的なトレンドではなく、長期トレンドを読む

少なくとも私には短期的な相場を読む能力がありませんでした。サブプライムローン危機後のドル急落がひと段落した時に、「これがドルの底値だ」と思って買ったのに、それ以上に下がって損失を出す失敗が3、4回ではすまされないほど数多くあったと思います。しかもそれらは、底値どころかリーマンショックという第2波が来る前でした。その後、壊滅的なダメージを負うことになったのです。この失敗から、自分には短期的な値動きを読むのは向いていないのだと悟りました。短期的な売買で儲けるのはやめにしました。

ただ短期的には値動きを読むのが難しくても、長期的に見れば世界の経済が今以上に発展していくのは確かと言えそうです。この世界の経済成長に乗っかって、長期的には株が上昇するのはかなりの確率で起こるだろうというのが、最初の直感でした。そしてその後、本を読んでいて1802年から2001年までの200年間の株のリターンが、国債や金を大きく上回るという研究データを見つけた時には「思った通りだ」と思いました。「過去200年間に世界の経済の成長の波に乗って拡大したのは株」だということ、「1ドルも売らなくても世界恐慌や2度の世界大戦を乗り越えて200年間に60万倍になる」。これを見たときに、自分の方法が決まったように思えました。

1802年に1ドル投資した結果、2001年での価値(インフレ調整済み)

資産 1802年の価値 2001年の価値
1ドル 599,605ドル
長期国債 1ドル 952ドル
短期国債 1ドル 304ドル
1ドル 0.98ドル
預金 1ドル 0.07ドル

その投資法がようやく、今ようやく少しずつですが、根を下ろして芽を出し始めたように思えます。今まで毎日かかざず水をやるように、毎月追加投資をしてきましたが、最近水を与えている以上に資産大きくなって大きなっているのを感じます。まだまだ評価を下すのは早計だとは思いますが、100年に1度の危機を超えて、少しはまともな投資ができるようになった気がしています。


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