2022年は年始から「長期金利が上昇して、その悪影響を受ける割高な株(大抵は高成長株)が売られる」という展開が続いています。
そろそろ長期金利(10年米国債利回り)の上昇も行き過ぎではないかとの見方も出てきそうです。
この記事では、超金利の上昇が行き過ぎているかどうかを調べます。
この記事のポイント
- 10年米国債の利回りはやや上がりすぎのレベルにまで上昇している。そろそろ金利上昇が収まっても不思議ではない。
- しかし、もしも10年米国債利回りが1.8%を超えてしまえば、最大で2.3%〜2.4%まで上がる可能性もある。
- もしも下落に転じるなら、そこで仕込む銘柄はゴールド。
すでに上がりすぎの兆候が見られる長期金利
2022年は年が明けてから、長期金利が急上昇しています。
ハイテク株を買っている投資家は長期金利の上昇で株価が下がりやすくなっているので、「そろそろ長期金利の上昇も落ち着いてくれないかな」と思っている頃だと思います。
そこで、長期金利の上昇が行き過ぎているかどうかここで見ていきたいと思います。
上のグラフは10年米国債利回りの90日平均からの乖離率をグラフにしたものです。上にいくほど長期金利が上がりすぎを表しています。
過去の動きを見ていると+20%前後で上がりすぎが止まって、下落に転じることが多いです。
そして、現在は+20%に近いところまで来てるので、そろそろ金利上昇は一度緩やかになってもおかしくないレベルにまで来ています。
現時点の長期金利の90日平均は1.5%なので、+20%で潮目が変わるなら1.8%(計算は1.5% × 1.2= 1.8%)くらいで金利の上昇が収まるかもしれません。
1.8%を超えれば最大で2.3%まで上昇
しかし、ごくまれに90日平均との乖離率が+20%を超えても、金利が上昇し続けることがあります。
記憶に新しいところでは2021年3月では、90日平均との乖離率が+50%になるまで上昇しました。
現時点から+50%まで上昇するとしたら、約2.3%くらいまで上昇するはずです。
なので、もしも10年米国債利回りが1.8%前後で収まらなければ、最大で2.3%程度まで上昇すると心構えをしておくと良いかもしれません。
さいごに
この記事では、10年米国債の90日平均からの乖離率を使って、長期金利の上がりすぎ度合いを確認していきました。
2022年は年初から金利が大きく上昇したので、さすがに少々上がりすぎの傾向が見られます。このあたりで一旦上昇が一段落することはあるかもしれません。
ただ、2021年3月のように急上昇するならば1.8%で収まらず、最大で2.3%前後まで上昇するかもしれません。
実は数日前の記事でも以下のような金利のチャートを使って「長期金利は1.9%や2.4%で下落に転じるかもしれない」と書きましたが、このときと推測の手法は違ってもだいたい同じような結果になっています。
>>【詳細記事】2022年に米長期金利はどこまで上がるのか。
上の記事でも書きましたが、もしも長期金利が下落に転じるなら、その後に有望になる投資先はゴールドだと思います。
ゴールドは株とは違って大きく上昇するような資産ではありませんが、長期金利の低下で価格が上昇しやすく、またもしもインフレが長続きしても価格の上昇が起こる資産なので、金利上昇が落ち着いた後の投資先としては安定して結果を残せる資産になるはずです。